the wind-up bird chronicle III

村上春樹『ねじまき鳥クロニクル 第3部 鳥刺し男編』(新潮社)読了。
物語としては3部作の中で一番面白く読めた。
謎解きのところなんてたくさんの登場人物やオブジェが
どんどん繋がっていって(実は繋がっていないのだけど)
まるで京極小説のようだった。
「夢の中ではいつも自分は一生懸命で、もしかしたら
これは夢じゃないか、だからいい加減でもいいんじゃないか
なんてことは滅多に考えない」という
保坂和志の『世界を肯定する哲学』の中の一文を思い出した。
それにしても、2台のPC間でチャットをするということは
そんなに大変なことだろうか?と疑問に思って
奥付を見ると1995発行。10年前だ。(当時高校生…)
Windows95が出たばかりだとすると、たしかに難しいかもしれない。
PCのシステムを自分の城のように構築してく青年・シナモンも
10年前に読んだら今よりもずっと特別な存在だったのかもしれない。
明治時代の本を読んで感動することだって勿論可能だが
リアルタイムで読んで肌で感じる感覚も無視できないな。

the wind-up bird chronicle III” への1件のフィードバック

  1. 本の話題からずれてしまって申し訳ないのですが。
    10年前はインターネットなんてないに等しい存在でしたよね。
    ちょうどそのころ旦那が米国に留学していて、e-mailなんて無かったから、電話代節約のためにFAXを買ったことを思い出しました。
    10年・・・あっという間だったけど、確実に世界は進歩しているんですねぇ。

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