a pie

朝、毎日同じ道を通る。
この桜並木はもう随分古いもので
刻々と変化する桜の木とか
墓地特有の湿った土のにおいとか
下町ガーデニングで咲き乱れる花々とか
散歩にしぶしぶつきあっている犬とか
いつも同じ墓石の上にいる猫やらに気をとられて
飽きることがない。
この桜の木の寿命が果てるころ
(たぶん、そう遠い未来のことではないけれど)
私はまだこの並木道をきょろきょろしながら
通っているのかしらん。