灰色

灰色の壁の窓から
赤い果実が落ちてくる。
次から次へと。
その赤い果実は良く見ると石榴だった。
石榴は地面で割れて血のような果汁が一面に広がった。
地下道で背後から彼がやってきて
私の項に噛付いた。
その瞬間、目の前の階段から母が降りてきた。
現場を目撃するなり何か言ったような気がする。
はて、何を言ったのだったか。