Mori Ogai Memorial Museum

寒の戻り。雨。

ぐるっとパスその6、文京区立森鴎外記念館。
ドイツ語のノートの几帳面な筆記体に人柄が出ている。企画展は動坂に住んでた画家・長原孝太郎との交流を集めた「近所のアトリエ」。黒田清輝に学んだ後、東京美術学校で教鞭をとった洋画家らしい。ただ油画の展示はほとんどなく、ほぼ鴎外の出していた本の装丁や同人誌『めざまし草』の裏表紙のイラストだった。『即興詩人』の表紙は今見ても本当に洗練されていて美しい。
家系図を見たがさすが錚々たる家柄。しかし子孫の方々、森茉莉はまだしも、於菟(おと)とか杏奴(あんぬ)とか不律(ふりつ)とか類(るい)とか爵(じゃく)とかキラキラネームが極まっていて、やや同情する。森鴎外って記念館(旧居跡)も近所だし、結婚式の親族食事会も別の旧居跡でやったしで世話になってる近所の大将感があるのだが、もとは島根の生まれだし最初は向島にも住んでるので地元の人というわけでもない。それなのに文京区は漱石と鴎外の扶養家族を自称していていいんだろうか。水月ホテルのイメージがあったのでこの地にあった観潮楼もこぢんまりした建物かと思っていたが再現されたジオラマを見たら豪邸で驚いた。

汝の血を冷ややかにせよ、汝の血を冷ややかにせよ、何れの場合なるを問わず、怒りは人を服する所以にあらざればなり

森鴎外『智慧袋』


帰宅後、賞味期限切れの香辛料でチャイ自作。イスラムマーケットで買ったスパイスミックスをより分けていく。 面倒。分類完了後、唐辛子、ローリエ、スターアニス、ブラックペッパーは退場。他の料理で使う。とりあえずシナモンとクローブとカルダモンがありゃそれらしくなるだろうということで適当に乳鉢で磨り潰してみる。ひとつ、成分表に記載されてない謎の種があった。カルダモンより一回り大きくて殻を割ると東南アジアの仏教寺院みたいなにおいがする。ブラウンカルダモンだろうか。

余らせているアールグレイにブレンドしてみたがパンチが足りないのはシナモンが少ないせいだろうか。やっぱり胡椒入れてもいいかもしれない。まあ自分の味覚でどうにかなりそうな感じではないので結論としては買った方がいい。あと市販のやつは香料でかなりドーピングしてる気がする。