La Perspective

母校にてJacques Lévy先生の最終講義『語りとパースペクティヴのはざまに潜む翻訳者の悪意』を聴講。湯澤先生もおっしゃってましたが、まったく湿っぽくならず、最後までがっつりヘヴィな授業だった。

先生の授業といえば、中上健次の『岬』(だったかな、『讃歌』だったかもしれない)の一節をフランス語訳してみろと言われ、死ぬ思いで訳したら「君のフランス語は破壊的でいいね〜」と言われたのが忘れられない。まだフランス語も始めて1、2年の人間になんという仕打ち……と思ったものだが、今となっては楽しい思い出だ。

今でも翻訳を読むたび、文章を見るたび、映画を見るたびに立ち止まらずにおれないのは先生の祝福であり呪いではないかと。長い間、お疲れ様でした。