Suehiro Tanemura

板橋区立美術館で「種村季弘の眼 迷宮の美術家たち」展へ。

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板橋区立美術館、たまに変な展示を企画するので一部で有名なのだが
わたしは今回初めて。運良く家の前に停車したバスにのって千石駅へ、そこから三田線で西高島平へ。高速やらバイパス?やらが錯綜する複雑な立体交差をのぼり、ずいぶんとのんびりした住宅街を歩く。西高島平〜赤塚にも初めて来たのだが随分緑地が多いようだ。もともと城もあったらしい。あちこちにこんもりとした雑木林のようなものが見える。唐突に目の前に公園が広がり、そのなかに郷土資料館と美術館があるらしい。池では釣りが公認されているらしく、おじいちゃんたちがのんびりと(しかし結構な装備で)釣りをしていた。

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肝心の展示はといえば、エルンスト、金子國義、ハンス・ベルメール、四谷シモンなどキャッチーな作家も多いが
個人的には個人的にはハインリヒ・フォーゲラーのエッチングや、桑原弘明の除き箱の作品を他人を気にせず(なにしろ私のほかに2人くらいしかいなかった)ゆっくり見られたのが良かった。巌谷ゼミのみんなたちの顔を思い出したが、私のゼミでも種村さんが訳したフロイトの『グラディーヴァ』は教科書に使ったのだった。ドイツ文学者だが、仏文のみんなもお世話になったものだ。なんだか懐かしくなって、珍しく図録を購入。友人の誕生日プレゼントにも買ってしまった。(掲載内容は人を選ぶとしか言いようがないが、きっと彼女なら大丈夫だろうと信じて)

帰りは地下鉄赤塚駅まで2キロ近く歩く。
途中に小さな滝などがあってワイルドだ。
ぼんやりと座っている猫がいたのでiPhoneを向けたら、なんだなんだというふうに近寄ってきた。そして、近寄ってくる途中に伸びをした。猫のこういう「べっ、べつにアンタに興味なんかないんだからねっ」っていう”逸らす”行動ってなんなんでしょうね。かわいいやつめ。

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その後、副都心線で新宿三丁目に。最近はあのへんから一本で(しかもすごいスピードで)池袋や新宿に出られるのだな。伊勢丹で買い物して、友人の店に寄ってプレゼントなど渡してちょっとおしゃべりして帰投。図録は喜んでもらえてよかった。
私は仲の良い友人に9月生まれが多い。