保坂和志『アウトブリード』(河出文庫)
短い書評や解説などを集めた一冊。
本当にいろいろなところに解説を出していて
なかには飯田譲治の「NIGHT HEAD3」の解説なんてのまであった。
なつかしすぎる。しかもハイゼンベルクの引用まであって
かなり暴走気味だが。
もうこの人の書くものは謙虚かつ飄々としていて
やわらかで曖昧な表現のなかに、鋭いものが見え隠れする。
また、引用も多少難解ではあるが、的確かつ素晴らしくて
何度も同じ文章を読んでしまう。
「・・・
物理学に限らず人間はどこまでいっても、人間が作り上げたフィルターを通してしか世界を見ることができない。しかしそれでも物理学には絶えず世界そのものに向かおうとするベクトルがある(と僕は思う)。僕が今物理学に惹かれている理由の根本は、たぶんこのことなんだと思う。」
(「群像」1995年7月号 ジョン・グリビン『シュレーディンガーの猫(上・下)』書評)
最後の一文だけ紹介しても何も伝わらないかもしれないが
わたしは理系に対して本物のばかなのに
数学的、物理学的なものに憧れてやまないので
「そうそうそうなのよ!そのベクトルなのよ!」と共感してしまった。
(ベクトルの正確な定義もわからないくせに。)
科学博物館で無邪気に遊んでいるだけではなくて
サルでもわかる量子力学の本でも読もう…
“Schrodinger’s cat” への4件のフィードバック
ぬこーーーーー!!
かわえぇ(*´д`*)
外人っぽい顔立ちだけど、海外のねこ?
物理学に限らず人間はどこまでいっても、自分が作り上げたフィルターを通してしか相手の世界を見ることができない。だから、相手の思想・概念・価値感を理解できず、戦争を始めてしまう。。。
至極、真っ当なことを行っているだけのような気がするの
だけれど。。。。
「量」に「方向」を持っているのがベクトルで、「量」だけ
なのがスカラー。「方向」しかないのは、、、、なんでしょうかね(笑)
超文系人間だもの
み○を
そのベクトルって物理学に限らず科学全般に言えて、
それこそが科学を科学たらしめているもので、
それが科学の「思想」なんだと思います。
まあ、確実に言えることは、
ぬこはかわえぇ、ということですよ(*´д`*)
>シュー
トルコぬこです。
トルコは猫いっぱいいたね。
なぜかみんな猫に「ぷしぷしぷし」って
声かけるんだよね。
>copiz
…
なんと甘酸っぱい響きでしょうか。
至極まっとうな事がまっすぐ届くように書けるのが
プロってもんなのでしょう。
>ゆは様
出た、科学教の信者がw
科学の本は数式とかコムズカシイとこを
全部すっとばして、もっと科学の哲学的な
部分をコアにした本がないかなあ、と思うのです。
保坂和志が書くって言ってたんだけどなあ。
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