いちごいちえ。

今日は仕事で表参道に出たついでに
先日M女史に連れて行っていただいた古着屋さんを覗いてみた。
最後までどうしようか悩んでいた緑色の虫籠の柄の帯は
もう誰かの手にわたったようだった。
いい人にもらわれているといいな。
というのも、お店の方がおっしゃるには
最近、1点ものの着物を「カスタマイズ」と称して洋服に作り直すのが
いわゆる裏原系の婦女子の間で流行しているとのこと。
切り刻んでスカートにするんだったら、ワゴンで投売りされている
ハギレでやればよろしい。
ここのお店は状態の良いものを、そこそこ良心的な値段で売っているので
そういった輩の毒牙にかかるのかもしれないが、
可愛い娘をヤクザの嫁に出すような店員さんの断腸の想いは
察するにあまりある。
話は逸れたがそれにしても、「買わない後悔」の悔しさといったらない。
でも、そのとき実を取って格子のモダンな帯を取ったのは
自分の判断なので誰を攻められるわけでもないのだ。
だからこそ悲しいのも悔しいのも自分の中だけで
完結させなければいけない。
嗚呼、わかりますかこの気持ち。
籠に敏感に反応してしまい、同潤会アパアトメントにて一枚。

これは鳥籠だけれどもね。