小川洋子の『薬指の標本』再読。
弟子丸氏が直球に好みのインテリ変態系で好きなだけなんですが。
それだけでもなく、なんとなくこれを読むと
ざわざわといろいろな風景が思い起こされる。
たとえば神戸の崩れかけた洋館であったり
フランスの浴室のタイルであったり
もうなくなってしまった鶯谷アパートメントの丸窓であったり。
今は閉鎖されている科学博物館のフーコーの振り子であったり。
それはあまりに記憶の深いところにしまってあって
どんな好きな人とも永遠に共有できないものばかりで
表層に出すには少々の痛みが必要だ。
