at Oji station

堀江敏幸 『いつか王子駅で』(新潮社)読了
今回は東京下町が舞台の純文学ともエッセイともつかぬ作品。
印章彫り師の話、地元の定食屋、島村利正『残菊抄』
徳田秋声『あらくれ』などの引用、
都電荒川線沿線の風景、古書肆との会話
教え子の陸上大会、そして競馬の思い出など
地味極まりないキーワードを複雑に絡めて清冽な日本語で描いてゆく。
 なるほど「のりしろ」か。私に最も欠落しているのは、おそらく心の
 「のりしろ」だろう。他者のために、仲間のために、そして自分自身
 のために余白を取っておく気づかいと辛抱強さが私にはない。
なんか身につまされる一文…。

さて、著者を問わず読む本読む本に競馬の話が出てくる。
今回はなにしろ『書斎の競馬』(飛鳥新社)に連載されていたらしいので
筋金入りである。(そんな雑誌があったとは…)
一度、競馬場に行ってみたいものだ。