イシイと東博へ。

銀杏も日当たりの良いところは黄色く色づいている。低い太陽の光を透過した木々が美しい。秋の上野が一番好きだ。

東博ではイシイは「はにわ」展へ。すでに私は常設へ。ゆみさん企画の「モダンきもの〜名門「大彦」の東京ファッション〜」展は華やかでかっこいい着物が紹介されていてとても良かった。

この前までは刀剣を一所懸命見ていたが、やきものに興味を持ってから俄然陶磁器の部屋がおもしろく、先日織部を買ったばかりなので美濃焼が目に入る。陶磁の解説がとても良い。庶民が趣味を楽しめる土壌があるような気がする。

日本には古来、中国や朝鮮、東南アジアなどのさまざまな地域から、海を越えて運ばれてくる文物を生活に取り込んできた豊かな文化的土壌があります。やきもの(陶磁器)もその一つです。また、皇帝や国王といった最高権力者を頂点とする社会構造の中国や朝鮮とは異なり、日本では天皇、貴族、武家、町人などさまざまな階層の人々が、その時々で大きな力を得て、経済や文化を動かしてきました。このため各時代、各地域でバラエティに富んだやきものがつくられ、日常生活を華やかに彩ってきました。
(後略)

帰りはスカイザバスハウスでヴァジコ・チャッキアーニの「Big and Little Hands」という不穏な展示を見て帰宅。


織部角鉢 (美濃|江戸時代・17世紀)

白土と赤土の粘土板をはぎ合わせ、白土には緑釉、赤土には鉄絵具と白泥で抽象的な文様をあらわした鳴海織部(なるみおりべ)と呼ばれる織部の鉢です。美濃焼を好んだ松永耳庵ですが、一番最初に購入した美術品は、当時親のあった北大路魯山人の助言によった織部の透鉢でした。