カドキョイは、ほんとに地元の人のための町で
駅前はごちゃごちゃしていて、もっさりした雑貨屋や電気屋が並び
それでも人はたくさんいて、なんとなく「錦糸町」ってかんじ。
おばさんたちが駅前で「ビルミルヨン、ビルミルヨン」と言いながら薔薇の花を売っている。
「ビルミルヨン、ビルミルヨン」というのは「100万」という意味だが
デノミが施行されても、まだ100万という呼び方は残っているようだ。
(今は100万が1になってしまった)
トラムヴァイに沿って埃っぽい大通りを北に歩いていくと、
軌道敷の両脇が遊歩道になっているちょっとおしゃれなエリアになる。
(とはいえ原宿の竹下通りみたいな垢抜けないかんじ)
現地の女の子に人気がありそうな雑貨屋で、凝った手刺繍の
かわいいストールを購入。しぶい色のも良かったが
珍しくオレンジとピンクという明るい色を選んだ。
特に面白い店もないので、お茶を飲んで、引き返す途中で
ふと、いいあんばいの路地を見つける。(こういうのには鼻が利く)
入って見ると、骨董屋が軒を連ねている。ビンゴ!
町歩きの鉄則は「来た道を戻らない」だな。
b様はガラクタの香水瓶などを購入。

オスマン時代の建築が残る骨董屋通りを抜けると
アメ横のような喧騒。八百屋や魚屋が、帰宅時間に合わせて
盛大に呼び込みをしている。
日本語の「らっしゃいらっしゃい」というのは「ブユルンブユルン」って言うんだが
なんかコワモテのおじさんたちがブルルン言っててかわいいよ。

ここの魚屋が飼ってる(らしい)ガチョウに遭遇。
なにもこんな道のまんなかで・・・
ちなみに日本に帰ってきてから、彼の名前が「ロディ」であったことを知る。

活気のあるカドキョイの町を堪能。このへんはまだ
ガイドブックでもあまり紹介されていないので、地図もないのだが
メインストリートの東側の路地が面白いのでオススメ。
帰りの連絡船も、デッキで頑張った。
ヨーロッパ側は、トプカプ宮殿やジャーミがライトアップされていて綺麗だ。

すっかりホテルの近所の道も覚えたころに帰らねばならないのが辛いが
エジプシャンバザールで最後の買い物。悔いのないよう
とりあえず欲しいかも、と思ったものは全て買った。(つっても安いんだけど。)
アラベスクのベッドカヴァー、三日月柄のクッションカヴァー、
アダチャイ(セージのお茶)、お土産のお菓子などなど。
何度も世話になった土産屋のお兄ちゃんとは、東京で会う約束をして別れた。
最後の夜は、お気に入りのレストラン「サヌルチュ」でディナー。
ガイドブックに乗っているような有名店だが、地下貯水池(地下宮殿)の一部を
階層してレストランにしていて、蝋燭と暖炉の光がなんとも黒魔術っぽい
妖しげな雰囲気で素晴らしい。今日はピアノの生演奏が入っていた。
(意外とスタンダードなナンバーだったのが残念だが。)
アナトリア風のケバブ盛り合わせをオーダー。
カッパドキア産の赤葡萄酒が美味しい。

やっぱりトルコは人が良いなあ。あと食べ物が素晴らしいねえ。
町に活気があるのも良い。
次来るときは、アジア側をもっとゆっくり歩こう、とか
黒海のほうにも行こう、とか話しつつ。とてもよい晩餐だった。
今回も、なにひとついやな思いをせず無事終了したことに感謝。
イスタンブルには、どうせまた来ちゃうだろうから
そんなに淋しくない。
というわけで、今回のトルコ旅行記はこれにて終了。
最後まで読んでくださって、ありがとうございました。