この廊下は、たぶん別の世界につながっている。

標本とか鉱石とか試薬瓶、人体解剖図、
植物画とか天体望遠鏡とか空の水槽とか。
アルコールランプと、試験管を洗う束子。

もう百万遍も使い古されたような記号的なオブジェも
実際に目の前に出てくると、やっぱりきゅうんとしちゃうんだよなあ。
(でも長野まゆみと恩田陸は、どうも水が合わない。)

そういうノスタルジイがあって、一時期白い調度品を揃えてたのだが
やっぱりどうにも落ち着かずに、どんどん柄が侵食してきた。

最近はトルコのカッパドキアで買ったキリムと
「アラベスク」という名前のカーテン
蔦のシルエットをかたどった振り子時計と
トルコの吹きガラスのランプ、
インド人の経営する店で買ったタッセルなどなど
だんだん無国籍かつ無秩序なかんじに。
(無国籍居酒屋にならないよう、和物を置かないのが唯一の良心。)

旅行先も、もうヨーロッパ、とくに西欧への憧れは薄くなって
南欧、東欧、アラブ世界、中央アジアあたりが熱い。

キモノを着るようになると、各国の民族衣装に
同じようなモチーフ、技法、色使いなんかが見えるようになってきて
ユーラシアの文化が極東の島国までつながっているのを
感じるのが心地よいのだと思う。

最近すっかり物欲が薄くなってナンだなあと思っていたけど
今はペルシャ絨毯のいいやつが欲しい!
(そこまでハイスペックじゃなくていいからトルコ絨毯でもいい。)

早く現地に買いに行きたい・・・

この廊下が、エスファハンとかイスタンブルに繋がってたらいいのに。