谷中で友人たちと集まって花見をする。
甲斐甲斐しい殿方たちのおかげで
それはそれは素敵な花見になった。
唐揚げや赤飯や煮物も美味しかった。
豆をミルで挽いて淹れる珈琲も美味しかった。
400ccの単車に跨らせてもらって二輪の免許が欲しくなったりもした。

カテゴリー: 植物
-
桜 2
-
by gones

こんなアパアトメントが、昔は家の近所にあった。
大正時代だかに建てられたモダンな建物だった。
階段の踊り場から外を見る窓は丸く、手すりには
どことなくアールデコの味付けがなされていた。
中庭には棕櫚や羊歯が茂っていて、道に面した下段には
春と秋に大輪の花を咲かせる薔薇の木があった。
向かいにも古い教会があり、そこの燭台は
さる高名な聖職者から賜ったものだと、司祭は自慢げに
話していた。
そのアパアトメントも教会も今はもうない。
正確に言うと、再建された。
東京の風景がかわっていくのは仕方ない。
もともと木材の文化で、鉄骨の家の耐久年月だって60年がいいところだ。
わたしたちがノスタルジアを感じるのは
古い古いと言っても、せいぜいが明治以降(おもいっきり近代)で
京都やヨーロッパの古さとはケタが違う。だから建築史的な価値はそんなに高くない。
この国には地震も戦災も地上げもあったから
ただでさえ絶対数が少ないところにきて、
老朽化した建築が壊されるのは必定。
たしかに見慣れた風景が消えるのはさびしいけれど
今ある建物だって時間を経てどんどん味わい深くなる(ものもある)ではないか。
有明だって台場だって、きっといい場所になる。
そういう風景を探しに行こうと思う。 -
黒百合館の殺人
雅兄の新しい詩集が出たというので
恵比寿まで赴く。
これでむこう3年は新しい詩集が出ないというのは
さみしいが、きっとたくさん旅行に行き
お酒を飲み、可愛い女の子と話をして
また素晴らしい本を出すはずだ。
とりあえずゆっくり読もう。
「貴兄の詩は一旦別の言語に訳されたような
不思議な響きがありますね」という感想を
僭越ながら手向けたところ、いたくその言葉が
お気に召したようだった。
推理小説の話ばかりをし、私たちが列挙したタイトルの中に
登場する死者を合計すると100人はくだらないだろう。
どんな洋館が理想的か、庭や、あずまやについて
詳細に語り合ったのだった。

雅兄は薔薇よりも百合が好きだと言った。
わたしは薔薇のほうが好きなのに。

