Sicilia: Siracusa-Noto

シラクーサからノートNotoへ。
今日の運転手サルヴァトーレ君は絵に描いたようなラテン系。
そしてやっぱり英語は話せない。
シチリア南東部のノートからカルタジローネ一帯は
「ヴァル・ディ・ノートの後期バロック様式の都市郡」として
世界遺産に登録されている。
ここは1693年の大震災で崩壊した旧市街を捨てて
新たな都市計画で生まれた「新市街」なのだが
とはいえ18世紀初頭の話だから古都といっても良い。
そのときに「どうせやるなら流行のデザインでかっこよくしよう!」と思いたったノート領主は偉い。
後々観光都市となって市民を潤すとは思っていなかっただろうが。

壁の落書きがひどいパレルモに比べて、徹底的に落書きも消され
過剰な装飾が施されたバロック様式の建築は
最近になってまた修復されたらしく、ぴかぴかだ。
古けりゃいいってもんでもないが、あまりにぴかぴかだと
ありがたみが薄れる、とか言ってる勝手な観光客たち。
人間やガーゴイルの彫刻が並んでバルコニーを支えている様子は
ちょっぴりユーモラスでもある。

町はシエスタで死んでいたが、外観を見るだけでも満足。
黄色味の強いベージュと、バロックの曲線と、蘇鉄の硬い質感との
組み合わせが、なんとも素敵。
16時をすぎたころからは、大聖堂にも入れるようになっていた。

ノートから最終地のタオルミーナまでは150kmほど。
ラテン系運転手サルヴァトーレ君に「君は助手席に座りたまえ!」と言われ
2時間ほど、イタリア語のみで会話する羽目になる。
『ゆびさし会話帳 イタリア語編』をにぎりしめ
「シチリア、パスタ、美味しい!」とか
「ウニ食べた!」とか
「わたし、WEBの仕事 デス!」とか
お互いものすごく一方的な会話をする。
会話帳には動詞の現在形しか載ってないので、過去の話や
未来の話ができないのがもどかしい。
こういうときに文法が必要になってくるのだな…
サルバトーレ君は副業でグラフィックデザイナーもやっているらしく
Windows XPでPhotoshop 10を使っているらしい。
(「フォトショップ ディエチ!」って言ってるのが無性にツボに入った。)
マシンはASUSだそうだ。パソコンの話は各国共通だなあ。
「Adobe製品は高すぎるよね!」
というところで意見が一致した。おお、万国共通認識。
あと携帯を4つも持っているのを指摘したところ
「仕事と、家族と、ガールフレンドと、発信専用」らしい。
機種自体はタダみたいなものらしく、そのへんのシステムは日本と似ているのかも。

シチリア第2の都市カターニアCatarniaを見ながら
高速をとばしていく。
目的地のタオルミーナは、山の上にのっかるようにして拓けている町で
蛇行する山道に車酔いした。
タオルミーナ市内に入ってから、サルヴァトーレ君は激しく道に迷い
→車止める
→わたし窓開ける
→サルヴァトーレ君が通行人に道を聞く
→わたし御礼を言って窓閉める
→発進する
という華麗な連携プレイで5回ほど道を聞き、
せますぎる路地を大型車で通り抜け
ようやく、ようやくHotel Paradisoについたのであった。
ぐったり。

Sicilia: Siracusa-Noto” への5件のフィードバック

  1. 金沢の話が出ていたので、てっきりシチリアから空路で能登半島に
    飛んだのかと思っていたのですが、そうですか違いましたか。

  2. 海鮮をもとめてシチリアから能登半島へ。。。w
    ともにウニの美味しさがわかるという点では共通していると思います。
    そういえば、金沢へは越後湯沢から「ほくほく線」(名前かわいい)に乗って行ったのだけど、初富山県接地でした!
    そういえばwo.さんもさっちゃんもnamiさんも富山にいたんだったよなあ、と思いを馳せたよ。
    あと富山の薬売りにも。

  3. イタリアはああいう夢に出てきそうな細やかな細工ばかりしかないのかな。
    いい子は泣くよ。

  4. イタリアで泣く子を黙らせるには「ハンニバルが来るよ」だそうです。

  5. >Jさん
    悪い子でも(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブルですね。
    微妙~に笑顔なのがさらに怖いんです。
    >きろい
    世界史勉強してないとわからないネタなので
    あながちネタでもなさそうですなあ。
    ハンニバルと聞いて
    「レクター博士」がくるところを想像して
    それはそれで黙るな、と思った。

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