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Taiwan 2012

村上龍『五分後の世界』読了。

日曜の夜の夢をTwitterに書いたら、ベーシストの伊藤毅さん
同書を薦められた。

これは日本が第二次大戦で降伏せずに、そのまま地下に暮らすテロ国家を作ってしまったという平行世界に
現代から男が時空を超えてやってきてしまうSF?なのだが
これがまさしくわたしの観た夢のように荒唐無稽で、唐突で、
でももっと暴力的で残酷で、そして美しい話であった。
(奇抜な設定よりも、妙にリアルなディテールのほうが気持ち悪くて、
おそらく彼も自分の見た夢をもとにプロットを立てたのではないかな、と予想)

音楽は(音楽に限らず優れた作品というのは)、もうずっと前からあったものを
作曲家が探しだしてきたようなものだ、という一文が印象に残った。

あっちの世界に転がり込んだら、わたしだったら多分30秒くらいで
死んでると思うが、それにしたってあっちの世界の軍人が
かっこいいことこの上ないというか。惚れる。

さて、あっちの世界の軍人に比べたら、この世界で働く私など寝ているようなものなのだが、
なんか頑張らなくちゃな、と思えてくる不思議な作品であった。
これを機に、今までまったく手を出してこなかった村上龍を読もうと思う。
未読のものが山ほどあるのが嬉しい。

いとうさんに感謝。