acid/alkali


乱歩の紫陽花。
こうなるともう、土壌が酸かアルカリかは関係ないような気もする。
紫陽花はあまり好きな花ではないのだ。
こんなに色とりどりに豪華に咲くのに
桜のようには盛り上がらない。
素馨のような香りもなく。
薔薇のようにカタログ的に収集したい気分にもならない。
なんだろう、ボリュームがありすぎるのだ。
顔が巨きい、化粧の濃い女のようなイメージがある。
しかも、紫陽花を見るたびに
皆が「酸かアルカリか」という話をするのもよろしくないと思う。
あまりに風情がないではないか。
でもこの季節、家々の軒先であまりによく見かけるので
日本人は紫陽花が好きなのだなあと
今年初めて気がついた。
トルコでは乾燥しているからか、そのままドライフラワーに
なって立ち枯れていくのだが、その風情は退廃的で好い。