また夢の話なので苦手な方は読み飛ばしていただくとして。
中世のロマネスク様式の古い教会が出てくる。
聖堂の控え室のようなところに待機して、なにかの順番を待っている。
私は当番のようなものに選ばれてしまい貫頭衣のような生成りの上着を着せられる。
ざっくりとした綿の素材だが、裾のところに繊細なアラベスク模様が刺繍されていて、
ムスリムのようでもある。太いボルドーのサッシュベルトをする。
会場は小さな二階建ての石造りの建物で、
シチリアの円形闘技場の近くで見た古い民家?に似ている。
一階はなにもない土間のようなところである。
そこから梯子のような急な階段でロフトにあがると、そこには布団が敷かれている。
奥は祭壇なのか、ごちゃごちゃといろいろなものが置いてある。
わたしはそこでひとりで一晩過ごさねばならないのだが、そこでなにが起こるのかは知らされない。
ロフトから一階を見下ろすとたまに角の生えた頭の影が見え隠れして、
「あれは悪魔だ」とわかるのだが、さほど恐怖ではない。
根拠もなく戦ったら自分が勝つと思っている。
建物の外に出るともう夜で、土手のような堤防のようなところを従兄弟と歩く。
土手でも後ろから悪魔のようなものがちょっかいを出してくるので鬱陶しい。
そこは水辺で、対岸に、わたしが戻るべき二階建ての古い建物が見える。
水面からすぐに斜面の宅地になっていて、家がまばらに建っている。
建物に戻ってロフトにあがり、布団の上にねそべって
「イハツ」と呼ばれる手芸品を作らねばならない。
イハツとは多分「遺髪」のことなのだが、人間の髪ではなくて、
薄い灰色のリリヤン、ゆるく紡いだ羊毛など、いくつかの種類の糸の束が
銀鼠色の絹のピローの上に留められている。
それを少しずつすくって編み込みにしミサンガのようなものを作る。
それぞれの糸の束の上には綺麗な宝石やメダイのようなものがついていて、
それが特別なものだということがわかる。
会場にいく前に老女がやりかたを教えてくれてその場では納得したのだが、
自分でやろうとするとうまくいかず「どうすっかなあ」と途方に暮れた。
以上、トイレに置いてあってたまに読む『世界の三大宗教』と、
最近読み始めた西尾維新の『傷物語』の影響だと思われる
宗教色の強い夢の話であった。