Journal読書

impressions

◆早瀬乱『三年坂、火の夢』読了
江戸川乱歩賞受賞作品ということで期待して読んだのだが
山手線内側古地図ブラタモリ風の作品であった。

まだ江戸時代の面影が色濃く残る明治時代が舞台で、
前の職場の霞が関界隈と銀座、近所の本郷~千駄木~谷中~上野界隈がよく登場するので親しみが持てたが
(このへんは古い地名や坂の名前も残っているので場所が明確にわかる)
まったく都内の地理に明るくない人が読んで果たして面白いのかどうか。
謎解きの展開が非常にまったりとしているので、新本格好きとしてはスピード感が足りない。
英国帰りという設定の鍍金先生は、もっと面白い探偵になりそうなんだけどなあ。

ま、京極堂だったら15分くらいで解決してるよね、というところで☆☆★★★。

◆宮部みゆき『名もなき毒』読了
宮部みゆきのすごいところは、登場人物に感情移入させる手腕だと思う。
味わい深い脇役もいい。引退まぎわの副編集長と主人公が
居酒屋で話すシーンなど、しみじみとよい。

ただ、こちらも主人公が凡庸すぎて解決に時間がかかるのがもどかしい。
まあ、御手洗潔だったら15分(以下略)というところで、☆☆☆★★。