paris dans le rêve

Metro de Paris

唐突にパリに行く夢を見た。

シャルルドゴールからシャトルバスではなくメトロにのって市内に来たつもりなのに
高台のうえにあるさびれたメトロの駅に着いてしまった。

駅を出ると、ちょっとした公園があって、石造りの展望スペースがあり
手すり越しに街の灯が見える。
足元の町は暗い住宅地で、結構中心部からは離れているようだった。

何枚か写真を撮っていると一眼レフを持ったマダムに声をかけられて
「こういう増感した絵もおもしろいわよ」と言われた。
見せてもらった写真はISO 2000くらいで撮影したようなノイジーな写真で
手すりの一部がまあるく凹んでベンチになっているところに
ぐったり腰掛けている少女が写っていた。なんだか気持ち悪い写真を撮る人だなと思った。

「やっぱりひとり旅は気楽でいいわあ」なんつって、わりと足取り軽くホテルに向かう。
高台を徒歩でおりていくと、高速道路の入り口を見下ろすような高架に出た。
高架はブルーとグリーンのLEDがゆるやかに点滅するライトアップがされていてレトロフューチャーなかんじ。
それを写真に撮ろうと近づくと、高速をまたぐ道にはまったく手すりがなくヒヤリとする。
しかも際の部分にタイルが貼られていて滑りそうだった。
すぐ下は高速道路で車がびゅんびゅん走っているというのに
日本だったら大問題だな、やっぱりヨーロッパはこのへんおおらかだな、と思いながら
際から少し離れて写真を数枚撮った。

さらに坂を降りていくと高架が何本も交差している一般道だか高速だかわからない
暗いトンネル(昭和通りの下みたいなところ)に出る。
このまま進んだら高速かなあ、と行きつ戻りつしているときに、数人がぱらぱらと歩いてきたので
この先の道にも歩道があることがわかった。暗い歩道を進むと上の道にあがる階段があってほっとした。

上の道にあがるとすぐに別のメトロの駅があった。
そういえばさっきの駅のロッカーに荷物を一式預けてあるのではないか。荷物をとりに戻らなくちゃ。
道も覚えていないし、けっこう山道だし、メトロで戻ろう、と思うのだが駅の名前が思い出せない。

まずは回数券を買おうと思うのだが、自動販売機でも回数券が売っていて、
古びた原始的な自販機にはちゃんと「カルネ」とカタカナで書いてあったので
最近は日本語対応もしているのか、親切だな、と感心する。
その下に小さく「ダースレ → ●●● → ●●●」とカタカナが書いてあって
どうもそれは窓口に頼むときの言い方で、右にいくほど丁寧な言い方になっているんだ、と理解する。
なんでシルヴプレがないんだろうと疑問に思う。
なぜかどれもフランス語ではなく、ちょっとロシア語っぽい響きで
こんなフランス語は知らないなあと思っている。

窓口にはあずき色のカーテンがひかれていて、(もとはこげ茶色だったのかもしれないが色あせているようだった)
もう夜も遅いし閉まっているのかも、と思ったが
念のため中を覗いてみると、中には白髪のおじさんと若い女性がいて
こちらを一瞥してぴしゃりとカーテンを締められてしまった。
自動販売機にはバックパーッカーが並んでいて、使い方がわからずまごまごしている。
小銭しか使えないのがわからないのだろう。
わたしも両替したばかりで細かいのがないし、困ったなあどこかでお札を崩さなくちゃ、
というところで目が覚めた。