Journal映画

BIUTIFUL

アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督『BIUTIFUL』

「オススメ。だけど逆にきみにしかオススメできない。」と言われたので
そこまで言うならと思って観てみたら久々に消化不良をおこして眠れなくなるほどの
スーパーヘヴィ級の映画だった。
観た後のどんより具合と言ったらテオ・アンゲロプロスの『ユリシーズの瞳』、
レオス・カラックスの『ポーラX』あたりと肩を並べるんじゃないだろうか。

泣けもしないし、笑えもしない。
予告編だけ見ると、やさぐれた生活をしている余命2ヶ月の男が家族の愛を取り戻す的な話に見えるが、
まったくそんなんじゃないから。闇:光=99:1くらいの映画だから。

以下ネタバレです。

「こんなに人が死ぬ必要はないんじゃ?」とか「このタイミングでオッパブ出てこなくてもいいんじゃ?」とか
「ここで殺さなくてもいいんじゃ?」とか、「え?シックスセンス??」「死後の世界???」とか
ツッコミどころはいろいろあるんだが、それがどれも異様に地に足が付いているというか
現実的なのだった。不思議だ。

本題とはちょっと離れるが、下流社会と移民の問題って
欧州映画のひとつの大きなテーマだ。
人が集まる観光地の中央駅の北側の移民たちがぎゅうぎゅうと暮らしているあのかんじは
まだ日本ではあまり報道されない。
スペインってマフィアがいないらしくてフリーの小悪党が多いと聞いたことがある。
だからどこの組織にも属さずに、主人公のように裏の仕事もしつつ
余生を家族と生きようと思えるんじゃないかと。
だからこそ舞台がバルセロナだったのかなと思った。

それにしても主人公も導くおばさんの目が、マドマギのキュウべえみたいで怖いw