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9月の最初の3連休は、仙台~平泉へ旅行に出かけた。

震災から半年、内陸でもまだ車窓からはブルーシートの乗った瓦、
仮設住宅が見える。
まだこんな状態なのに、東京から浮かれて旅行に行って
いいものかなあなどと思いつつも、観光で東北に行くのも
経済活動だよな、と納得させつつ仙台へ。

上野から、Maxやまびこで2時間とすこし。あっという間に仙台に着いてしまう。
駅の路線図も、海側はまだ塗りつぶされているところやバスが代行しているエリアが多い。

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今日の目的はニッカウヰスキー宮城峡蒸留所。
仙台から在来の仙山線快速で20分ほど、「作並」という駅で降りる。
仙台の人にとっては温泉地で有名な場所だそうだ。
電車の到着に合わせてシャトルバスが迎えに来てくれる。

宮城峡は、森の中にある蒸留所だ。
見学者の待合室で軽くオリエンを受けたあとに、15名くらいのグループで
工場内を回る。
工場というよりもサナトリウムのような雰囲気。

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ビートを感想させるキルン塔は今は使われていないらしいが
形がかわいらしい。

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タンクには注連縄が。創業者の竹鶴さんが造り酒屋だったこともあり
こんな風習が残っているとのこと。
ふつうは奇数なんだがこちらは4枚。あまりこだわりはないらしい。

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最後の貯蔵庫は、重い鉄の扉を開けると蒸せるような、スモーキーな芳香。
熟成の度合いによって、香りがチョコレートケーキのように
甘く深い香りになるのもテイスティングできる。

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さてさて、最後はお楽しみのテイスティングなのだが
宮城峡10年、鶴17年、アップルワイン(激甘)というラインナップ。
工場見学したあとだと美味しく感じる。
ニッカおすすめの水割りレシピ通りに作ってみたりしてしみじみといただく。

そして、メイン(?)の有料試飲コーナー。
通は無料試飲をすっとばしてでも、こちらに直行するそうだ。
一瞬、見落としてしまいそうなくらいひっそりと、お土産屋さんの奥にカウンターがあるのだが
このラインナップが素晴らしい。シングルカスクやシングルモルトも
ハーフショットでこのお値段。

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わたしはFruity&Richという、いちごやバナナのような香りがする
シングルカスクの12年熟成と、ミーハーにピュアモルトの竹鶴21年をいただいた。
I氏とふたりで6種類ほど試飲して昼間っからいい気分になる。(わきまえろ)

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たまたまI氏が「竹鶴氏が修行していたスコットランドの蒸留所の名前」を
カウンターの中のスタッフの人に尋ねたところ、中の人も思い出せず
常連と思しきウィスキーマニアの人も思い出せず、その場にいた全員がドハマリする。
結局、スタッフのマダムがHPをプリントアウトしてきてくださった。優しい。

そんな騒ぎがきっかけで、隣でおひとりでいらしていたお兄さんと話をしたら
なんとなんと、我が家から2kmほどのところにお住まいの人であった。
I氏の職場が近いこともあり、界隈の飲み屋の話で盛り上がり
帰りも途中まで一緒に帰ってきた。
いやはや、世間は狭いな。

なぜかこけし2体がお見送りしてくれる作並駅ホーム。

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