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substitute

本に囲まれて暮らすのが好きだが、読み返す本は
ほんとうにひとにぎりだということは、ずいぶん前から気づいていた。
飽きっぽい性格もあって、もともとあまり収集癖はないくせに、
本となると見つけた時に買わなければという強迫観念があって、我慢できない。
大事な本だけを残して、もうちょっと整理しようと思いながらも、思い切れない。

手元に残しておきたい本など、ちくま文庫の日本文学全集とクラフトエヴィング商会、
数冊のエッセイと推理小説と、海外で買った写真集と図録くらい。
これが、5年、10年前は全然選べなかった。全部必要だと思っていた。

「長い腕」というミステリで、主人公の女の子は愛車のカプチーノに
積めるだけの荷物だけしか持たない、という設定があった。
あの車の大きさを知っている人なら、その容量がどんなにか少ないものかわかるだろう。
その少ない荷物の中にすら本が数冊入っているというのがさらに好ましい。
(ちなみに話自体は驚くほどつまらなかったのでオススメはしない。)

抱えているものの重さと、モノを捨てたい衝動は比例するので、
ほんとうに捨てたいものの代わりに捨てられる本たちを不憫だとも思う。