2010 瀬戸内

inujima

宝伝港から犬島までは、船で10分弱。
港から、精練所の煙突が見えるくらい近い。

船を降りると、すぐに木造のビジターセンターがある。
近年、ベネッセの肝入り(?)で建てられたものなのだろう。
木造だが、看板などのタイポグラフィもかっこよくて
中には物販やカフェもあるモダンな建物だ。
そこで注意事項の確認などをして、クロークに荷物を預け出発。

一周2キロくらいだろうか。島を半周取り囲むように遊歩道が整備され
内側に遺跡がある。チケットコントロールを通過すれば
遺跡のすぐ近くまで立ち入ることができる。
さすがに崩れかけた煉瓦の煙突の近くには寄れないが
それでもじゅうぶん、遺跡を探訪している気分になれる。
精練所の黒ずんだ煉瓦の壁がまるでローマの公共浴場のようだ。

かなり起伏が激しいが、道は歩きやすい。
整備しすぎず、適度に藪や荒れたところを残しているかんじが
なかなか好ましい。

途中、現代美術を展示する館「精練所」がある。
煙突から吸い込んだ空気を冷やして循環させ、自然に空調をおこなっているらしい。
中に入るとひとつめの作品。
暗闇のむこうに、窓が見える。
しかしその窓に向かって歩いていくと、いくども角にぶつかることになる。
鏡を複雑に反射させて、常に窓が正面にあるようにみえるのに
なかなか窓に辿り着くことができない。
そして、ようやく着いた先には窓がなく、窓だと思っていたものは空を映した鏡なのだった。
暗闇のなか明かりを求めて迷路の中を歩くような、不思議な体験型の作品だった。

柳幸典の作品が四点ほど。三島由紀夫の住んだ家の建具をばらして
オブジェにした作品も、想像よりもよかった。
もったいないことをするなあ、とも思ったが、
おそらく色々な事情で、そのまま残しておくことはできなかったのだろう。
こんな素敵なロケーションで保存されることになって
ミシマも喜んでいるにちがいないのだ。

精練所を出て、「本当の精練所」へ向かう。
鬱蒼と茂る藪を抜けると、まるで廃院のような精練所の壁と煙突。
これはよくぞ残してくれた。
一眼レフを持っていると集団行動ができなくなる子なので
今回はコンデジしか持っていかなかったのだが、次回は絶対に一眼持参でいく。
そんで、今度は冬に上陸する、と誓った。

犬島、素晴らしいです。

http://www.inujima-ap.jp/