water runs through it


金曜、深夜まで仕事して、そのまま麻布の「AZABU草ふえ」さんに行って朝まで飲んで
昼間は死んだように寝て、起きてキモノ着て、近所で女5人で姦しく飲み。
そういえば、今読んでいる幸田文の『姦声』は
随筆とも小説ともとれる不思議な文章なのだが
そのなかに
「下町の女には貴賤さまざまに、さらさら流れるものがある。それは人物の厚さや知識の深さとは全く別なもので、ゆく水の何にとどまる海苔の味というべき香ばしいものであった。さらりと受けさらりと流す、鋭利な思考と敏活な才知は底深く隠されて、流れをはばむことは万ない。流れることは澄むことであり、透明には安全感があった。下町女のとどこおりなき心を人が蓮葉とも見、冷酷とも見るのは自由だが、流れ去るを見送るほど哀愁深きはない。」
というのがあって、今日集まったのは別に下町女ばかりではないのだけれども
幸田文のこの鋭利な文章で描かれる下町の女のような魅力があるよなあ、と
しみじみ思ったのだった。
各自、他人に話せば相当深刻に受け止められる状況を背負ってたりもするが
それでもその隙間に酒飲んで笑うことだってできる。
それでなんとか立っていられる。
たまには力抜いて、適当に、美味しいもんでも食べてさ、などという
陳腐な慰めにムカつきつつ(美味しいものは好きだけど!)
綺麗なキモノ着て文学とか芝居とか花の話をして
それから現実に戻る。
持つべきものは美しい女ともだちだよ。