signori di notte


雨なので一日部屋で読書。
それ以外なにもしていない。
塩野七生 『緋色のヴェネチア~聖マルコ殺人事件~』(朝日文庫) 読了
著者本人が「都市が主人公だ」と言っているのだが
細かな描写は貴金属や服飾や、当時の官僚制度だけで
あまりヴェネチアの景色は描かれていない。
(描かれているのはむしろコンスタンチノープルのほうが多い)
国家を一人称にしたものすごーくおおざっぱな戦争の話と
16世紀のその都市が、現代ではどこに位置しているのかという説明が
唐突に物語のなかに入ってくるので、
どうにも視点がさだまらないまま、さらりと読み終わってしまった。
とはいえ、16世紀の史実をこのレベルでトレースできるってのは
すごいことなんだろうな。
今年はヴェネチアにも行く予定だし、
リアルト橋とサンマルコ広場は拝んでこよう。
しかし、ちっとも殺人事件ではないので
「聖マルコ殺人事件」というサブタイトルは
ミステリ作家協会から訴えられると思う…