puella


おとなが集まる飲み会に、小さな女の子がひとり、いた。
入れかわり立ちかわりご機嫌をとりつつ
でも自分たちの話に忙しいおとなたちを見ていた。
あたしは女の子に話しかけて、
キリンと、ゾウと、ハイエナと、イルカと、ウサギの絵を描いた。
あたしが小さい頃、家におとなたちがたくさん来て
パーティーなんかをやっていたのを唐突に思い出した。
気を遣ってくれるのはありがたいけれど退屈だし
だだをこねたら親が気まずい思いをするのもわかっている、
かといって広い家でもないから居場所もない。
テーブルのすみのほうで絵を描いていたのだった。
あたしは未だに自分がおとなになって、
あのときのみじめな自分を知っているおとなたちと会うなんて
ぞっとする、と思うのだ。
あの子はもっとまっすぐ育つよいけれど。