do re mi fa

黒沢清監督 『ドレミファ娘の血は騒ぐ』
壮大な自主制作映画のようなかんじだったが
今の「廃墟好き」「古い建築好き」を彷彿とさせる
大学のキャンパスと、唐突な展開と、
やや難解な終わり方が黒沢っぽい。
そして伊丹十三演じる変態教授がアホすぎで笑えた。
これ、もともとはもっとエロが多かったにもかかわらず
日活ロマンポルノから「ロマンもポルノもない」という理由(黒沢曰く)で
公開されるに至らなかった幻の作品
「女子大生・恥ずかしゼミナール」のリメイク版なんだが
(一般公開するんでエロは大幅カットらしい)
NG出した日活の気持ちもわからないでもない…。
同時に、著書『黒沢清の映画術』(新潮社)を読む。
デビュー作から、「LOFT」までを振り返って
インタビュー形式で語っているのだが
ほんと、制約の多い世界でなんとか撮ってたというようなことが書かれていて
あまり語られることのない80年代~90年代の日本の映画業界の
裏話が面白い。
『スウィートホーム』がゲーム「バイオハザード」の元ネタになったというのは初耳。

do re mi fa” への8件のフィードバック

  1. 「スウィートホーム」もゲームになってるけど、
    「バイオハザード」よりも怖かったですよ。
    個人的には、映画はあんまり怖くなかったです。

  2. >蜜柑さん
    ゲームの「スウィートホーム」は、黒沢もずいぶん絡んでいるみたいですよ。
    そりゃ怖そうだ。
    映画の「スウィートホーム」は監督の黒沢清と、製作?の伊丹十三がオリが合わないまま撮り続け、最終的にはビデオの版権をめぐって法廷にまでもちこまれた曰く因縁つきの作品だそうです。
    今となっては伊丹十三もいないですが…
    でも、以前どっかのエッセイでよしもとばななが絶賛していたような気がするので、気が向いたら観てみますーv

  3. 新世紀に「ドレミファ娘・・」のタイトル人様のブログで
    聞くとは思いませんでした(勿論公開当時、監督無名)。
    「ドレミファ・・」よりはポルノとロマン認められたのかどーか?
    ’83年「神田川淫乱戦争」はその筋で公開されたらしい。
    今時はDVD化され大手レンタル屋の一般の棚にも置かれてます。
    どこも、全然、壮大じゃない画作りが、乾いた笑いを誘います。
    投げやりな展開がPFFすら連想させます。
    チョイ役で田口トモロヲが出てたりもする(笑)。

  4. あ。「神田川~」は、今予約してるんですけど
    まだ順番がまわってこないのですよね。
    たぶんこれが黒沢のデビュー作ってことになるんじゃないかな。
    田口トモロヲ、このころの仕事を知っている人にとっては
    「プロジェクトX」なんで子供騙しだと思う今日この頃…
    ところで、PFFってなに???

  5. あ、PFF、「ぴあフィルムフェスティバル」の事です。
    アマチュア対象の映像コンペです。
    園子温とか塚本晋也とか、これで賞獲ってプロんなった監督もいるけど
    相当濃いぃと言うか怪しげな作品が集まってました、
    幾度か上映見に行った80年代当時。
    http://www.pia.co.jp/pff/top.html
    今もあるらしい。 

  6. >れざさん
    ああ、ぴあフィルムフェスは存じておりますよー。
    PFFって言うのですね。
    わたしも学生時代に上映会に行きました。
    まあ、学生はみんな行くよね。
    で、黒沢もたしか入選してますよね。
    今日、うちの事業部長と「ドレミファ娘~」の話してて
    「あれは10代のうちに観ておくべき作品だよね」
    という結論に達しました。
    たしかに、あの作品は今だと賞味期限切れちゃったかんじで、評価できないですよね…

  7. 学生時分はアングラな匂いのするものに
    一度は嵌る貴重な時期ではあるよね♪
    PFF、私は上映会場の池袋文芸座が近かったのと
    高校の部活の先輩が作った奴がたまたま入選、
    只券貰ったりしたから。
    確認したら黒沢清入選してる、つーか応募してる(!)。
    「ドレミファ~」見た事あってしかも「10代のうちに観ておくべき作品・・」
    なる結論に達する上司、素敵です。
    確かに何の繋がりも持たず、新世紀の今の自分の年齢で初めて見ても
    古臭さだけ目に付いて、楽しめないかも知れませんね。
    (関係ないけど数年前「イージーライダー」初めて見たらダメでした)
    そう考えると映像も一期一会。
    今「Ms igloo」とか見て熱くなってて大丈夫なのか?私。
    今日貸しソフト屋で黒沢清 新作「叫」発見思わずレンタル、これから見ます。

  8. 学生時代にアングラなものを受け入れられるのって、ひとえに
    「よくわかんないけど、見る人が見れば面白いのかもしれない」という曖昧さがあるからですよね。
    今はもうトレーラーや評論を見て「つまんなそう」と思ってしまったら見る気しないですもん。
    「叫」は本格ミステリらしいですけど、本の世界では「幽霊」が出てくるものをミステリとは言わない気がする…

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