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谷崎潤一郎『文章読本 抄』(ちくま日本文学全集)読了
『春琴抄』から続けて読んだのだが、こちらは口語体で書かれており、
読みやすく、かなり実用的であった。編集が絶妙だ。
さすがにこの人の日本語に対する愛情は半端ではなく
太平記から近代アメリカ文学まで原文を引用して
美しい文章とはなにかを説いている。
と同時に「思考」を「文章」で綴ることの難しさや
外国語を日本語に訳すことの大変さにも真摯に向き合っている。
これを読んではじめて自分が翻訳ものが読めないことに
合理的な説明をつけてもらったような気がした。
ありがたいことに、このphoto journalにも幾人かの読者はいるわけで
世界にむけて発信しているからには、不快感を与えない程度の
レベルでありたいものだ。

三猿。
左甚五郎天才。