the wind-up bird chronicle II

村上春樹『ねじまき鳥クロニクル第2部予言する鳥編』(新潮社)読了
何故こんな勢いで読み進めているのだか。
具体的にえぐいし、加納クレタの独白なんて本当にキツいし
「もうだめかも…」と思いつつも何故かだらだら読んでしまう。
文章のうまさでひっぱられているのだろうが、
村上作品にしては(個人的に)珍しく
自分の経験と重なって内面に深く入りこんでくる感覚がある。
二度と読み返さないかもしれないが、
一生忘れられない本になるかもしれない。
(映画で言うとテオ・アンゲロプロスの『ユリシーズの瞳』みたいなかんじだ)
井戸の底の話を読んでいて、暗室の中を思い出した。
人工的に全闇にするので、本当に何も見えなくなる。
上下左右がなくなって空間がゆっくりと回転する。
自分の神経が身体の外に出ていく感覚が懐かしくなって
またフィルムの現像でもやってみようかな、という気になった。
シューマンの「予言の鳥」を昔ピアノで弾いたのを思い出した。
曲名がかっこよかったので弾き始めたのだが
なんとも不安定な曲で、楽譜どおりに弾いても合ってるのか
合ってないのかさっぱり、というような印象しか残っていない。
本当のところどんな曲なのか今の今まで知らなかった。(試聴

またピアノでも弾いてみようかな、という気になった。