江國香織『ホテルカクタス』(ビリケン出版)読了
調べ物があったので図書館へ。
天気予報は曇りだったけど、雨のにおいがしたので傘を持って出た。
家を出て30秒くらいで突然通り雨に遭った。
あまりに大粒で、まるで雹のようだったので
魚やヒルが降ってくる『海辺のカフカ』を思い出した。
希琳ちゃんが「まいはきっと挿画が気に入るとおもう」と言っていたので
図書館で江國香織『ホテルカクタス』を借りた。
静謐でスモーキーな色の油絵は直球で好みだった。
感情を殺したニュートラルな画風はDavid Hockneyを彷彿とさせる。
パリらしい螺旋階段の絵をたくさん見たので
北駅裏の素敵な螺旋階段がある安ホテルを思い出して、
また行きたくなってしまった。
別にこれと言って見たいものは何もないのだけど。
「いまここに必要なものは、外国だ。」
わたしもそう思う。
童話のような小説のような詩のような不思議な中篇だ。
この作品に限って言えば美味しい水のようなかんじ。
後味は無いが、美味かったという感想は残る。
“hotel cactus” への2件のフィードバック
よかった気に入って。
希琳は、実直なきゅうりがとても好きで
でも数字の2の神経質さにも笑ってしまって
帽子の得体の知れないハードボイルドさに
ほれぼれするよ。
ぱきっと立ち上がるきゅうり とか
あとは野となれ山となれ な の帽子とか
好きな場面は多いのに、印象にちっとも
残らないから、さらっと読めるので好きです。
読みやすい文章だしな。
希琳はあの挿絵にうっとりしてたよ。
しずかでつめたそうな廊下とか、もう巴里にあった
ホテルにそっくりだったし。
「神様のボート」をいまだ上回る作品がないので
何度もこっちで読み返しています。
「流しのしたの骨」もお勧め(江國香織の)
また読んでみてね。
希琳は今、英文にチャレンジ中だけどもう挫折しつつあるよ。
ああ・・・。
私も「ホテル・カクタス」は挿画に惹かれて読んだ口です。
江國香織はもともとよく読んでいたのですが、
この本はビジュアルにやられて。
深閑とした雰囲気の挿画と、
奇妙な味わいの登場人物たちの物語がよかった記憶が。
随分前に読んだのでうろおぼえですが…。
発掘して再読してみようかな。
コメントは受け付けていません。