襤褸 投稿者: Mai Suzuki2004年1月20日未分類 いつでも、実体のないものに悩まされている 存在自体はもう忘れられてもよいものなのに わたしのなかの他者が、それにまつわる幻想を作り出してやまない。 街路樹にひっかかった洗濯物みたいに 手の届かないところへ飛ばされて 雨風にうたれて朽ちている それなのに、ボロボロになってもなお 枝に絡み付いて離れない。 飛ばされてくる前は、あんなに大切にされていたのに。 風に弄ばれ、刻々とカタチを帰る襤褸を見て、 私はいろいろなものを思い描いてしまうのだ。