儒艮

水族館で熱帯魚とともにのほほんと泳いでいる
儒艮を見る。微笑んでいるようにも見える。
大きな重そうな身体は飛行船のように
ゆっくりゆっくり移動する。
でも高丘親王航海紀の儒艮のように
旅をしたりはできないのだ。

檻の中の動物を、水槽の中の魚や海獣を
かわいそうだと思うほどエゴイスティックではないが。