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渋谷

「雨もあがったことですし、一杯いかが?」というメールを受け取り
のこのこ渋谷まで出向く。
「渋谷にしよう」と言ったのはあたしのほうだったが、たいそう後悔した。
混んでいるのだ。
春休みだから。
人ごみをくぐるだけで精一杯で、レコ屋も覗けなかった。
逃げるように地下のいつもの麦酒屋に行った。
前日幹事をやって仕切りつかれたあたしは
オーダーのほとんどを連れにまかせて、ひたすらごはんをもりもり食べた。
葡萄酒を1本空けた。
お腹がくちくなると、今度は効率のいい酒を飲もうではないか、という話になった。
センター街の奥のほうにあるジャズバーに行った。
とてもよかった。
壁に大きく描かれたミュージシャンの肖像も、
ちいさな油絵も、
針金のようなジャズマンの置物も
そしてもちろん音楽も
ジャジーだった。
サークル仲間を連れて得意そうな学生の男の子が
大人ぶって煙草を吸ってしまうほど
そこはオトナな空間だった。
みんな低い声で、音楽を邪魔しないように話し
音楽は決して客の会話を邪魔しない音律とボリュームで。