谷山浩子「放課後の音楽室」at 東京文化会館小ホール
谷山浩子さんのコンサートへ。上野の文化会館という近場なので歩いて向かうことにした。素晴らしく天気がよく、久々のコンサートというのもあって道中、根津のあたりで得も言われぬ多幸感に包まれた。いつもは清水町のほうから公園に入るのだがそちらには行かず、動物園通りから東照宮に続く階段を登ってみたところ、美しい夕方の日差しに出会う。参道に紫陽花の花壇を見つけた。まだ若い木々なのでいずれ名所になるといいなと思う。


久々の文化会館、建築も素敵。

浩子さんは病み上がりだそうで実に9ヶ月ぶりのコンサートなのだとか。体力的な問題もあり、前半まるっと栗コーダーカルテットが埋めるかたちとなったのだが1曲目から「ピタゴラスイッチのテーマ」で嬉しい。栗コーダー、昔のほんわかおにいさんたちのイメージのまま止まっていたのだが、そのまんまおっさんになっている安心感。そしてEテレ感。ビューティフルハミングバードのタバティさんも素敵だったな。みなさんとっかえひっかえいろいろな楽器を演奏されていて楽しい音を堪能した。
谷山「今日は目の前に電子ピアノがありますが1曲しか弾きません!」
栗「え? 2曲じゃないですか?」
谷山「え?!1曲だよ!リハでも1曲しか弾いてないもん」
栗「え!!!!」
ということが本番中に発覚。
関「なんかピアノの音が小さいなと思ってモニター返してくださいとか言ってた」
谷山「いや弾いてないし…」
川「このくらいの巨匠になると弾いてなくても音が聴こえる(笑)」
アンコール明けの諸々の証言をまとめると、「さよならのかわりに」の2番からピアノ入れたほうがいいだろうという浩子さん本人の提案で、実際はリハでも弾いていたにも関わらず記憶が消えていたらしい。
「放課後の音楽室」コンサートではいつも最後に演奏するという「さよならのかわりに」があまりに素晴らしくて涙ぐんでしまった。
セットリスト
栗コーダーカルテットパート
- ピタゴラスイッチ オープニングテーマ
- マヨネーズ第2番
- サウスポー
- しっぽのきもち
- ボンネットバス
- 羊どろぼう。
- 青空節
- 帰り道
- テルーの唄
- 川口くんおすすめトラッド1&2
- うれしいしらせ
谷山浩子パート
- わたしじゃない月のわたし
- マギー
- 朝ごはん
- ウミガメスープ
- 向こう側の王国
- きれいな石の恋人
- 恋するニワトリ
- ネムルル
- さよならのかわりに
- en)花さかニャンコ
こんなご時世でまともな店はどこも開いておらず、探しに探した黒潮海閤という愛媛のお店の東京支店でご飯。美味しかった。
谷山浩子といえば、この日の前に行ったコンサートは実に四半世紀前くらいなのである。『歪んだ王国』あたりの選曲で、青山円形劇場で…と思って公式ページで調べたら1992年とあったが、その時は中学生である。さすがに大学生くらいだったぞと思い、さらにネットで調べてみると、このサイトに行き着いた。
https://www.asahi-net.or.jp/~kx3m-ab/961207.html
1996年に綾辻行人プロデュースで101人コンサートが行われたとのこと。これだ。高校生の頃から綾辻行人の館シリーズを貪るように読んでいて、祖母の家でたまたま見ていた新聞にこのコンサートの広告を見つけたのだった。「谷山浩子の公演に綾辻行人がゲストで出る!」ということで興奮しつつチケットを取った。今でも紙面のどのあたりにどのくらいの大きさで広告が載っていたのか思い出せる。なつかしい。
こういう個人サイトの日記、どうか消えてしまわないでほしいと祈るような気持ちになる。