澁澤龍彦 ドラコニアの地平〜キネマ・イン・ザ・ヨルガ

 

「澁澤龍彦 ドラコニアの地平」を見に世田谷文学館へ。
聞いたとおり手稿がメインだけれど彼の人柄がよくでていて好きになってしまったなあ。種村さんや巌谷さんに送った欧州からの葉書がかわいい。ほんとにいい人だったんだろうね。

欧州旅行に行ったのが42歳の時で思ったより遅い。たしか留学してないはずなのでそんなものだろうか。それ以来、思ったよりもプリミティブなものを蒐集しているのが興味深い。イランやイラクにも行っている。イランは革命前でリベラルな頃かな。エスファハンやシラーズの庭園にアルハンブラの面影を見出して感動している。わたしもスペインに行ったあとにトルコやイランに行ったので、文化の源流を見たかんじで感動したな。そのほか瀧口修造、細江英公、池田満寿夫、金子國義、四谷シモン、ベルメールなどの展示も。中西夏之のオブジェは、見るたびに想像よりでかいなと思う。3倍くらい大きい。ちなみに書斎にある球体関節人形はベルメールだと信じていたが土井典による復刻だったことを初めて知った。エッチングは本物を持っているようだ。彼のコレクション以外の植物画なども展示されていたが一番驚いたのは科博所蔵の南方熊楠の手稿だった。なんだあれは。南方熊楠をもっとちゃんと読もうと思った。

今のところ巡回の予定はないそうで。関西でもやればいいのになあ。小さいけれど、シュルレアリスムの展示としても秀逸だったと思う。

 

千歳烏山から明大前まで戻り吉祥寺へ。みとせのりこさん、弘田佳孝さん、片霧烈火さんの「キネマ・イン・ザ・ヨルガ」へ。しばし帝都を逍遥したような不思議な感覚のライブ。前半はMCいっさいなしのシアトリカルな演出で私はこういうの大好きなので嬉しかったな。