北里研究所本館


学生の頃、近所のガラクタ屋で
ふたつの試薬瓶を買った。
その瓶は今でも飾り棚のいちばんよい場所に置かれ
鉱石や化石や、温度計などと一緒に
ちいさな理科室を構成している。
機能的で繊細な試薬瓶はとても美しいと思う。
文学部出の私にとっては、
まだ魔術や錬金術が実学として機能していた時代の
不可思議な記憶の残骸が見えてしまうのだ。