1990年代に撮影した写真のカラーフィルムをスキャンしてみたところ、激しく黄変していました。四半世紀以上経つのだからしょうがない……と思いつつ、せっかくのデジタルデータなので脳内の思い出をたよりに補正していこうと思います。
カラーフィルムの黄変については皆さん苦慮されているようで、NIK CollectionやFotorなどのアプリケーションで試行錯誤を重ねられているようですが、今回は「Photoshop 2022を使ってさくっとやりたい」ときに使えそうなソリューションをふたつご紹介します。
1. 新機能「ニューラルフィルタ」を使う
補正するのはこの写真です。全体的に黄色くなっており、黄砂が吹いているようですね。
フィルター>ニューラルフィルター…>右側のパネルから「カラー化」を有効に>OK
ボタンひとつでここまでもって来てくれます。画面の大部分を占める空が青くなっただけで「おお!」と思うのですが、よく見ると冬で葉を落としているはずの木々がかなり緑になっていたり、手前の川の浅い部分、本来なら水が流れている部分は砂が露出したようになり、奥の建物の屋根のオレンジはだいぶ彩度が落ちていますね。これはもう元の写真と記憶を頼りに修正するしかありません。色別にも得意不得意があるようで、とくに赤い色がポイントで入っているような場合はグレーにされてしまうことが多いです。画面内に赤が入っている場合は要注意です
2. トーンカーブのスポイトを使う
細かくRGBを調整していくのが一番ですが、今回は大量に処理したいということでトーンカーブパネルを使ったもっとも速い方法でやってみます。
まずはトーンカーブパネルを出します。イメージからでもいいですし、調整レイヤーを使ってもいいでしょう。
上図で赤く囲った部分にあるスポイトのうち「黒」と「白」を使います。
まず、トーンカーブパネルのスポイト「白」をクリックしたあと、写真の最も明るい(白い)部分をクリックします。
次に、スポイト「黒」をクリックしたあと、写真の最も暗い(黒い)部分をクリックします。
スポイト「中間色」は混乱するので使いません。写真のどの部分をクリックするかでコントラストや色調が変わってきますので、もっとも自然に補正されるポイントを探していきましょう
ニューラルフィルターと違い、枯れ木は枯れ木のまま茶色く、川の手前の部分にも水が流れていることがわかります。ただし常緑樹の彩度は低く、ここからRGBのグリーンを調整する必要がありそうですね。
さいごに
今回は数秒でできる補正方法をご紹介しましたが、大量の写真を少しでもマシな状態でシェアしたい! という場合にご活用ください。もちろん、印刷したりウェブサイトに掲載するような写真の補正としては不十分ですので、あとはトーンカーブでRGBを細かく調整するなり、マスクをかけて細かい部分を補正していきましょう。