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豊田 徹也『アンダーカレント』
同僚に借りた一冊。

パートナーが失踪する、というのは映画作品では結構おなじみで
是枝裕和の『幻の光』とか、フランソワ・オゾンの『まぼろし』とか素晴らしい作品が多いが
「家族が帰ってこないかもしれない」というのは子供の頃からの根源的な恐怖に直結しているので
何度でも観たい、というものでもない。

まんがでこの手の話は私にとっては珍しくて
まるで映画を観るように読んだ。

豊田徹也は谷口ジローが絶賛している作家だそうだ。

Sherlockian Life

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BBCのホームズにハマったので
原作片手に映像作品などをランダムに見る今日このごろ。
仕事がちょっと忙しくなってきたのだが、
それでも気分転換になるべく見るようにしている。

■映画
・ガイ・リッチー監督 『シャーロック・ホームズ シャドウゲーム』

体育会系ホームズ(ワーナー版)の第二弾で、
シャーロックと宿敵モリアーティとの対決である。
ライヘンバッハの滝壺に落ちるところまでは原作と同様だが
こちらはちゃんと生きているところまで作品に入れてくれたので
最後はにこにこ終わるのがよいね。

・ ピーター・サスディ監督 『新シャーロック・ホームズの冒険 ヴィクトリア瀑布の冒険』

あまりにもB級なので笑ってしまった。しかも長い。
途中にロールテロップが入っていきなり第2部が始まるのが意味がわからない。
オリジナルの話ではなくいわゆるパスティーシュなのだが
民放でやってる昼の旅情系サスペンス・ドラマの雰囲気なのである。

クリストファー・リーのホームズのコスプレを堪能するPVだと思って観るべし。

・ロドニー・ギブソン監督 『シャーロック・ホームズ 四つの署名』

みんなが口をそろえてグラナダ版のホームズのイメージが強いというなか
私はマット・フルーワ演じる神経質でインテリ変態のホームズが結構好きだ。
ワトスンも人好きのする好々爺で、でもいざというときは頼りになって
かっこいい。話はずいぶん端折られているがコンパクトにまとまっているかんじ。
番宣の動画しか見つからなかった。

TV版のはいずれもホームズもワトスンも50代~60代という老境なのだが
原作ではせいぜい30代半ば~後半というところだ。
一番近いのはワーナー版なんだよな。

■本
コナン・ドイル 『緋色の研究』、『四つの署名』、『恐怖の谷』

上記いずれも1960年初版 1975年重版の文庫で、訳者は阿部知二。
古本の甘くていいにおいがする。

イギリス英語のteaを夕飯ではなく「お茶」と訳していて
「肉料理付きのお茶をがつがつ食べた」なんていう珍訳があっておかしい。
(肉茶漬けかよ)

伯父に借りそびれて『バスカヴィル家の犬』が最後になってしまったが
これを読み終わったら長編はすべて制覇したことになってしまう。
なんだか寂しいなあ。

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◆早瀬乱『三年坂、火の夢』読了
江戸川乱歩賞受賞作品ということで期待して読んだのだが
山手線内側古地図ブラタモリ風の作品であった。

まだ江戸時代の面影が色濃く残る明治時代が舞台で、
前の職場の霞が関界隈と銀座、近所の本郷~千駄木~谷中~上野界隈がよく登場するので親しみが持てたが
(このへんは古い地名や坂の名前も残っているので場所が明確にわかる)
まったく都内の地理に明るくない人が読んで果たして面白いのかどうか。
謎解きの展開が非常にまったりとしているので、新本格好きとしてはスピード感が足りない。
英国帰りという設定の鍍金先生は、もっと面白い探偵になりそうなんだけどなあ。

ま、京極堂だったら15分くらいで解決してるよね、というところで☆☆★★★。

◆宮部みゆき『名もなき毒』読了
宮部みゆきのすごいところは、登場人物に感情移入させる手腕だと思う。
味わい深い脇役もいい。引退まぎわの副編集長と主人公が
居酒屋で話すシーンなど、しみじみとよい。

ただ、こちらも主人公が凡庸すぎて解決に時間がかかるのがもどかしい。
まあ、御手洗潔だったら15分(以下略)というところで、☆☆☆★★。

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Nezu Jinja Shinto Shrine

5月は黄金週間が終わってからなんだか慌ただしくしていて
月末に納品をするまでは常に何かに追われているような雰囲気であった。

そんななかでも毎週末、根津神社を散歩したり
友人たちと着物着て日比谷公園のオクトーバーフェストに行ったり
体重がやばいことになってしまったので、1日の摂取カロリーを500kcalくらい下げて
毎日走ってみたり(結果、あっという間に2kg落ちた。水太りだったのだろうか。)
そうかと思えば新人歓迎会でマッコリをしこたま飲んだりしていたので
忙殺されていたというわけでもない。人並みに忙しい、というやつだ。

島田荘司『UFO大通り』(講談社文庫)
『リベルタスの寓話』があんまりにもあんまりだったので
こちらもあまり期待しないで読んだのだが結構面白かった。
短編2本だが、2本とも共通点があったりして。

御手洗と石岡くんが絶好調だった頃の回想録のようなかんじになっていて
石岡くんがあまりにも御手洗のことが好きすぎて辛い。
最近の御手洗はなにしろ忙しすぎて、石岡くんのことを邪見に扱うのがいかん。
大切な友人なのに。

次は宮部みゆきの『名もなき毒』を読み始めた。
通勤の行き帰りに小説をちょいちょい読むというのは
まったく別の世界に入りこめて、いい気分転換になる。
まんがは、あんなに時間も手間もかかっているのに
すぐに読み終わってしまうのでなんだか勿体ないのだ。

Allegory of Libertas

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Libertas

島田荘司『リベルタスの寓話』 読了

いやひさびさに読了後に本を床にたたきつけたくなった。
どうしてこうなったのだろうか。壮大なわりに最後のトリックはおざなりだし
ユーゴの民族紛争を絡めた後味も最悪。
あと表紙にAllegory of Ribeltasって書いてあるのだがどう考えても「Libertas」ではなかろうかと。
ラテン語で「自由」ですな。
Libertyの語源ですな。

口直しに宮部みゆきでも読もう・・・

写真は2000年にニューヨークのMetで撮った謎の甲冑。

Paprika

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Cuty Sign in Prague

筒井康隆 『パプリカ』読了。

最近、不思議な夢をよく見るようになって、Evernoteに
夢日記をつけはじめたところだったので、タイムリーに夢のお話。
しかも精神分析もちょこっと出てくる。

クライマックスの幻想のシーンがやや長すぎる気もしたけど
ふわっと軽いラストシーンは好きだった。
筒井作品にしてはわかりやすいほうだったのではないかな。

それにしても日本人形が出てくるたびに、「海月姫」の和物ヲタ・千絵子さんを思いだしてしまう。

今敏監督の映画も見なければ。音楽は平沢進だし。

写真はプラハの地下鉄ムゼウム(博物館)駅。

5 minutes

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Taiwan 2012

村上龍『五分後の世界』読了。

日曜の夜の夢をTwitterに書いたら、ベーシストの伊藤毅さん
同書を薦められた。

これは日本が第二次大戦で降伏せずに、そのまま地下に暮らすテロ国家を作ってしまったという平行世界に
現代から男が時空を超えてやってきてしまうSF?なのだが
これがまさしくわたしの観た夢のように荒唐無稽で、唐突で、
でももっと暴力的で残酷で、そして美しい話であった。
(奇抜な設定よりも、妙にリアルなディテールのほうが気持ち悪くて、
おそらく彼も自分の見た夢をもとにプロットを立てたのではないかな、と予想)

音楽は(音楽に限らず優れた作品というのは)、もうずっと前からあったものを
作曲家が探しだしてきたようなものだ、という一文が印象に残った。

あっちの世界に転がり込んだら、わたしだったら多分30秒くらいで
死んでると思うが、それにしたってあっちの世界の軍人が
かっこいいことこの上ないというか。惚れる。

さて、あっちの世界の軍人に比べたら、この世界で働く私など寝ているようなものなのだが、
なんか頑張らなくちゃな、と思えてくる不思議な作品であった。
これを機に、今までまったく手を出してこなかった村上龍を読もうと思う。
未読のものが山ほどあるのが嬉しい。

いとうさんに感謝。