まだまだ行けてないところがたくさんあるなあ、と惜しみつつ
Termini駅へ。
テルミニ(ターミナル)というだけあって、
線路のうえに駅があるのではなく、
駅から線路がのびているかんじ。
線路のどんつきには、ものものしい緩衝の器具がつけられている。
プラットフォームも低くて、列車には急な階段を3段くらいのぼって
乗り込まねばならず、大荷物の旅行者たちはみんな難儀する。
大きな電光掲示板に何番線から発車するのか表示されるのだが
これ、でるのがびっくりするほど遅い。
発車15分前にようやく出るといった有様で、祈るように
掲示板を凝視していた旅行客は、わらわらとホームに急ぐのだった。
わたしたちが乗るのは泣く子も黙るEurostar。
30分以上遅れると割引券がもらえるという噂だが
手続きがめんどくさいうえ、送られてくるのは半年後らしい。
そして遅れて出発してもなぜか定刻通りに着くという
摩訶不思議な新幹線だ。(それはスペインだけの話かも。)
電光掲示板にはEurostarのとなりにALTAVELOCITAと書かれているので
なんだろうと思って、となりのおっさんに聞いてみたところ
「ummmmmm・・・・・・”speed”!?」という微妙な答えだった。
まあ、とりあえずあんまり意味ないらしい。
(あとで調べたら、最新型の車両の名前だそうで。「のぞみ」みたいなもんか)
全席指定なので指定された席にいくと、ボックスシートになっていて
おばちゃんがふたり並んで座っていた。
ほんとは、むかいあわせのはずなんだけどまあいいか、と思いつつ
発車すると、進行方向と逆向きなのが気に障ったのか
おばちゃんたちは空いている席に移った。
ローマからフィレンツェまでは1時間くらい。
意外と近い。これならたしかに日帰りでも行けそうだ。
(東京~日光ってかんじかな)
地図じゃあ、こういう距離感ってわからないものだなあ。
びっくりなのはフィレンツェで15分近く停車して時間調整し、
そんでいきなり進行方向と逆向きに走り始めたこと!
スイッチバックかよ!
ローマを発ったばかりは進行方向でよかったよかったと思ってたけど
以降、ずっと後ろ向きだった・・・・(涙
旅行中マイブームだったお菓子「HappyHippo」。
かたちもさることながら、名前がかわいい。
ハッピーヒッポ。
歯が痛くなるほど甘いが、意外と美味しい。
これをスーパーでみつけて、かつ買ったI氏の前向きさが好きだ。
終点、ヴェネツェイアのサンタルチア駅までは4時間ちょっと。
着いたころにはもう9時ごろで、外はまっくらだった。
駅を出ると、いきなり目の前は運河。
びよーんと、大きな太鼓橋がかかっている。
対岸にはバロック様式の教会。
にせものの鞄を売っているアラブ系の人々。
そして旅行者がいっぱい。
車はもちろんヴェネツィア本島の入り口のローマ広場までしか入ってこれないので
視界には入ってこない。
かわりにモーターボートがトコトコと運河を走っていく。
これは今まで見たことない世界。
しかし、あえていうなら
デ ィ ズ ニ ー シ ー に そ っ く り で す 。
「いやそんなもんじゃなくてもっと奥深いのだ」とおっしゃる方もいるかと思うが
須賀敦子も書いてるが、この舞台装置っぽいかんじ
夜は暗くて、水面にうつった街灯の光がゆらめいていて
ほんとうに浮世離れしているのだ。
目の前の運河をわたり、人ひとりやっと通れるくらいの
冗談みたいな細い路地を抜けて、角をまがったところにホテルはあった。
ローマのような古いホテルを想像していたのだが
ずいぶんと明るく綺麗なシティホテルだった。
部屋もモダンで、ローマとは対照的。
それでもホテルを一歩出ると、うすぐらく、
迷路のような路地が広がっている予感がする。
荷物を置いて、駅の東側をぶらぶらする。
もう10時を過ぎると店がどんどん閉まってしまうので
遅くまであいている中国系の人がやっているダイナーで
海鮮のフリットとパスタを食べた。
観光地の定食屋という雰囲気だったので期待してなかったが
フリットも揚げたてで美味しかった。
お腹もくちくなって、ほろよいかげんでホテルに戻ろうとしたら
さっきの冗談みたいな細い路地が封鎖されている!!
地図も持ってないし、このまま果てしない迷路をさまようのか!?
・・・と思ったが、i氏の帰巣本能が正常に働いたようで
なんとかぐるりと回り道をして、意外とあっさり帰り着くことができたのであった。
スリリングヴェネツィア。
“Italia:Roma-Venezia” への3件のフィードバック
まじスリリング!私だったら迷路をさまよい続けてるわ(>_
p.s.
今度会った時には、イギリスのヤンキー雑誌見せて~
>seicoちん
そうなのよ、まじで迷路!!!
そして慣れたころには帰国・・・!(涙
seicoちんはきっとこの町が気に入ると思う。
飲み屋もいっぱいあるし。
イギリスのヤンキー雑誌持ってくわ!
なんかいろいろとすごかった。
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