nightmare iv

1)墓地の話
よく夢に出てくる場所がある。
そこは谷中霊園の中、日暮里の切り通し側にあることになっているのだが
仏教や神道だけでなくキリスト教や、ヒンドゥー教の墓や寺院もある。
鬱蒼としていて一面に苔がむしているが、
わりと観光客がいるので怖いかんじはしない。
今回はそこの端に建っている4階建ての煉瓦の建物が出てきた。
洋風建築だが窓に硝子はなく、中は共同墓地になっている。
各階にみっしり墓石が建てられているので
共同墓地とは言えないかもしれない。

中に入って扉を開けると
いつもあるはずの墓石が綺麗になくなっていて
中には修学旅行生がみっしり椅子に座っていた。
学生たちが一斉にに此方を向く。妙に歓迎されて
なぜか白い道着を着た女の子が空手の型を見せてくれた。
トイレに行こうと上の階に行き扉を開けると
やはり墓石はなくなっていて、晩餐会のように
長いテーブルが数列並んでいる。誰もいない。
部屋は暗かったが、奥の端に司会者が座るような席があり
そこだけスポットライトがあたっていた。
正装した中年の紳士がひとり座っている。
「早くここから出なさい」と言われ、慌てて下の階に降りた。