London-Bath

2013年12月29日。

今日は世界遺産のバースへ行ってみることに。
バースというのでスペルは「Barth」とか「Bers」とかかと思っていたが
ほんとにお風呂の「Bath」なのですね。最寄りの駅も「Bath Spa」とそのまんま。温泉浴場。

今日は出発がパディントン駅なので、サークル線でセントパンクラスから1本で。
(ちなみにサークル線といっても完全に環状ではなくて大江戸線のように分岐してしまうので
結構面倒くさい。)
パディントン駅もヒースロー空港の玄関口として近年改装したのか
近代的ななかにもヴィクトリアンテイストが入っていて素敵な駅である。

今回はチケットを事前予約していたので、スムーズに切符を受け取れたのだが
発車まで時間があったのでフードコートのカフェでクロワッサンと紅茶を。
ふつうにアールグレーが美味しい。

パディントンからバースまでは1時間40分くらい。
駅に近づくにつれ、車窓からも教会の尖塔がいくつも見える壮麗な町だというのがわかる。
駅を出て、観光客のあとをおいかけて町に入ると
ロンドンにもあるような有名店が軒を連ねている。Apple Storeまであった。

山をのぼるように中央通進むとローマ風の建物がいくつも見えてくる。
とりわけ人が出入りしている神殿の入り口のようなところをくぐると
The Abbeyとよばれる大聖堂と、その右手にThe Roman Bathと書かれた公共浴場があった。
地図がなくてもなんとかなるものである。

まずは公共浴場に入ってみることに。
ローマ時代の遺跡を掘り起こして復元したもので、外側にはいまも温泉が流れこむプールのような浴場
それをとりかこむように建物があり、そこは出土品や浴場の模型を展示する博物館となっている。
温泉に手をいれてみたが藻が繁殖して緑色だし、なんかぬるいし、あまり入りたいとは思わないが
ローマ人のお風呂にかける情熱ってすごかったんだなあとしみじみ思った。
こんな最果ての地みたいなところにまで。。。

博物館のしっくいの壁には当時の人々の映像が原寸大で(わたしたちと同じくらいの大きさで)
投影されていて、そこにコスプレの人がいるような雰囲気を作っていて演出がうまい。
とくに暗い屋内の浴場に投影されているのは立体感があってすごかった。

バースは路地が多く、18世紀の建築が軒を連ねていてイタリアのような雰囲気だ。
細い道にもカフェやギャラリーがあって散歩をするのにとてもいい。
目抜き通りの坂を登ったところにはサーカスと呼ばれる円形のテラスハウスが。
(そのむこうにも大きいクレセントのテラスハウスがあったようだが割愛)
瀟洒な建物もまあよいのだが、サーカスの中心の巨大な5本の木、すずかけだろうか
これがのびのびと枝を伸ばしていて圧巻であった。夏はよい木陰を作るのだろう。

その後、パルトニー橋やバースのアビー(修道院?)を見て、
パン屋さんでパニーニを食べつつ休憩。
その後、路地をうろうろしても2,3時間で終わってしまう小さな町である。
どこを切ってもフォトジェニックな美しい町であったが
メンテナンスが良すぎるのか、イタリアのような経年劣化の味わいがなく、寒々しいかんじがする。

それに、世界遺産だしものすごく観光客がいるのにお土産屋さんもレストランも活気がないのだ。
「まあ、人なら来るし」って感じで、ディスプレイもぞんざいだし
売れてもそんなに嬉しそうじゃない。
そのへんはアジアや中近東や南米のほうが商魂逞しいというか
日本も英国も、こういう国に負けていくのだろうなあと思った。