Jiufen 3

茶館を出て、観光客もまばらな道の奥に入っていく。
道は暗く、ピンクの提灯もとぎれると、まばらな街頭のオレンジ色の光だけで
夕餉の支度の音が聴こえる。

Jiufen 2

九份のこと。

九份は、台北からバスで1時間ほどのところにある古い街だ。
忠孝復興駅の1番出口を出ると高速バスの発着場所があって
30分に1本くらいの割合で九份方面に行くバスが出ている。

九份に近くなってくると、コンクリの堤防がある細い川沿いに
みっしり2階建くらいの建物が並んでいて日本のひなびた温泉地という風情。
鬼怒川とか飯山温泉あたりにそっくりだった。

バスは山を登り、目的地に着く。
気温は台北よりも低く、霞がかった景色は雲と海の境もわからない。
観光客がひしめく古い、土産物屋が並ぶ商店街を抜ける。
商店街には魚丸湯という「つみれ汁」や臭豆腐、あと
サーターアンダギーみたいな甘い揚げ物なんかが売られている。
わたしたちはエリンギを揚げて塩と味の素をぶっかけたスナックを買った。
店頭に並んでいるエリンギは日本の数倍も大きくて、揚げたても美味しかった。
ところどころにキーホルダーや天然石を売る店があって
昭和で止まっているかんじが日本の観光地にそっくりだ。

しばらくすると道は下り坂になってくる。左右に細い路地が伸びて、猫がいる。
アーケードの屋根が切れたあたりで、道の両側に茶館が見えてくる。

いちばんの老舗「阿妹茶酒館」で日が暮れるまでゆっくりとお茶をいただく。
赤い提灯が並んで、夕闇に浮かぶ様子はまさに「湯婆々の館」だった。

river runs

くさくさしてたけど同僚たちとシェラスコ行って
ばかみたいに肉食べて、酒飲んで、腹筋崩壊するくらい笑ったら
わりと復活した。

Cha of Taiwan

台湾の物価は、交通費と食費を覗いて日本とそんなには変わらない、と書いた。
実際、不動産と車は台北のほうが高いくらいで、若い人は台北には住めないらしいし、
学生の初任給は9万円程度だというから、住みやすいとも言えないのかもしれない。

観光客など移動して食べるだけなので、台湾滞在は安くあがってバンバンザイなのだが
これは高い!と思ったものがある。

お茶、である。

台湾の人がふつうに飲んでいるものはもちろん安価なのかもしれないが
安くてものすごく美味しいお茶というものは、あまりないらしい。
ベタな観光地だが、九份の阿妹茶酒館では、1両(35g程度)で
一番安いもので400元(1200円)、高いものだと2000元(6000円)くらいする。

これにお湯代をひとり100元(300円)ほど払って、セルフサービスでがんがん飲む。
お茶は入った市販の真空パックの袋を開けてくれるのだが
(このへんは拍子抜けするが、まあそっちのほうが保存状態もいいだろうし合理的だ)
余ったらかわいい紙の茶筒に入れて持ち帰らせてくれる。
お茶はそんなにがぶがぶ飲めないので、4人くらいでようやく日本と同じくらいになる。

ホテル近くの迪化街のお茶屋でお土産用に茶葉を買ったが
安いご飯に比べると、やはり割高な印象を受けた。
レストランでもビールよりもお茶のほうが高い。(もちろんポットサービスだが)

台湾でも凍頂烏龍茶が人気らしいが、本当にいい茶葉を丁寧に淹れたものを飲むと
はっきりと蜂蜜の香りがして、そのあと白い花のような香りが広がる。
日本のコンビニで売ってる市販のペットボトルの烏龍茶って一旦なんなんだろう、と思ってしまうのだった。
(あれはあれで、脂っこい料理には合うのだけど)

Taipei 2010-2011

台北のこと。

2010年の年末は台北で過ごした。学友やら同僚やら親戚が
こぞって「いいとこだよ!」と言いつつガイドブックをわんさか貸してくれたのだが、
行くまではガイドブックを読んでも今イチピンとこなかった。
ところが行ってみたら面白くて大好きになってしまった。

■観光
台北にはこれといって観光地があるわけではない。
国父記念館などのモニュメント系はまあ新しいものだし
故宮博物館も見所は「白菜」と「豚の角煮」だし(それぞれ水晶や天然石でできたオブジェ。)、
なにせアジアのものなので日本人にとってはエキゾチックさも薄く新鮮味がない。ような気がする。
レトロ建築は日本と比べ物にならないほど残っていて萌えポイントなのだが、
なにしろ現役で容赦なく使われているので、室外機は壁についてるわ
キンアカの看板が掲げられてるわ、1階がコンビニになってるわで
そこから当時の面影を見出して萌えるには、かなりの妄想力を要求される。
ここはいつもの修学旅行的な旅行ではなく、ひたすら欲望に忠実に
食う!買う!路線で行ったほうが良いと思う。

■ 食べ物
これは文句なく美味しい。台湾旅行の目玉のひとつだと思う。
服飾や嗜好品の値段は日本と大差ないのだが
食費だけは日本の1/3~1/2くらいの感覚だった。
簡易な食堂で食べる朝食は100円以下、
日系のデパートの中のレストランでもサービス料込みでも日本の半額くらいという印象。
おなかいっぱい食べて飲んで、ふたりで5000円いくかいかないか、というところだった。
しかも濃すぎず、辛すぎず、やさしいお味で日本人の舌に合うと思う。

■ 街と人
たった3泊4日では語れないと思うのだが、全体的におっとりしていて親切。
人々の声がでかくて、車のクラクションが鳴りっ放しの上海とはえらい違いだ。
そして、アジアでは少ない親日国なのがなによりだと思う。
戦争や統治時代を経験したお年寄りがどうこうというよりは
台湾の若い人たちが、日本の文化を好きでいてくれるというのが嬉しい。
日本のコンビニ(主にセブンイレブンとファミリーマート)も1ブロックごとにあるし、
置いている商品も日本からの輸入品が半分くらい、という印象。
書店には日本のマンガの新刊が並び、ユニクロや日本の社会学者の著書の翻訳も多い。
若い人で日本語を勉強している子も多いらしいし、お店の売り子さんも日本語を話す。
メニューも英語と日本語が併記してあるところが多い。

■ 交通
交通費も日本よりかなり安い。
地下鉄の初乗りが20元≒60円。
タクシーの初乗りが70元≒210円。
しかもタクシーは安全で、必ずメーターを倒してくれる。
行き先を告げるときはiPhoneのGoogleMapがあると便利だった。
地下鉄は都心を走るのは南北に走る淡水線と、東西に走る板南線を主に使う。
色分けされているし、乗り換えの表示も中英併記されていて完璧。
(ただ、日本人は漢字が読めてしまうので難易度が低いだけかもしれない)

■ 清潔さ
最近はどうだか知らないが、かつて大陸のトイレといえば
常駐のおばちゃんに小銭をわたすと無言で藁半紙のようなもの(トイレットペーパー?)を
渡されて、ドアも鍵もなくて、しかも臭くて・・・という印象だったが
台湾は公共の場所のトイレはとても綺麗。
なかでも、地下鉄のトイレは日本以上ではないだろうか。
場末の食堂なんかもちゃんと掃除している印象。

そんなわけで食べてばかりの旅行だったので
アーティスティックで静謐な写真はまったくといっていい程ないわけですが
アジアの熱気と食べ物のスバラシさを、ちょっとでも感じていただければ幸いです。
珍しく「人」も撮った気がする。

Happy New Year 2011

台北で無事に新年を迎え、本日帰国しました。
とりあえず食ってばかりの旅行でしたが
一応はイベントにも参加してみました。

台北101というアジアで一番高いビルと周辺数カ所での同時爆破(花火)。

毎年恒例ではありますが、今年は建国100周年ということで
いつにもまして豪華仕様なのではないかと。
演出は火薬アーティスト・蔡国強を招請したとのこと。
火薬アーティストって???という疑問はさておき
日本の花火とはまたちがった「やりすぎ感」が素晴らしかった。

「すごーい。」という馬鹿っぽい声はわたしです。

今年もよろしくお願いいたします。