flying boat


トルコ写真を現像したら、シチリアで撮影したフィルムが1本まじってた。
タオルミーナという、日本で言うと熱海みたいな保養地の
「4月9日広場」は、教会があり、海が見える展望台があり
広場のまわりをぐるっとカフェが囲んでいる素敵な場所だ。
なにやら、空にヘリコプターのようなものが飛んでいるのだが
なんか妙に軽そうだし、軌道もふらふらしている。
あれあれ、なんか海にむかって落下しているような?
「お?」
「おおお?」
といいながら、カメラで追っていたら、周りの人もみんな注目しはじめた。
そうこうしているうちに、そのまま着水して、
スイスイ海の上を走っていったよ。
一同( ゚д゚)ポカーン

Sicilia: Taormina

シチリア日記最終回。
9/20-21
タオルミーナは山と海が近接した熱海のような地形で
ホテルや繁華街は山の上のほうにある。
その眺望のよさと海の美しさから、ヨーロッパ屈指の保養地だと言われているが
日本における熱海同様、それが最新の情報かはわからない。
なぜなら観光客はお年を召された方ばかりだったからだ。
あまりに坂が多すぎるし道は狭いし一方通行ばかりだし
住むには難儀そうなところだが、さすが観光地!
シエスタで休まないし、レストランは夜遅くまで開いている。
ノートからタオルミーナに入ったころにはもう夕暮れで
町を少しぶらぶらして、Shelterというカジュアルなピザ屋に入った。
目抜き通りは人がたくさん出ている。
翌日は、朝早く起きて山登り。
山頂にある教会と城のあとを見に、ひたすら階段を上る。
かなりきつーい。ヨーロッパからのおばちゃんたちは
みんな中腹で挫折していた。
こんなところで大和魂を見せてもしょうがないんだが
とりあえず意地で頂上まで登る。
景色はたしかに絶景だったが、城は閉まっていた。
しょうがないので猫と気が済むまで遊ぶ。珍しく人なつこい猫だった。(こいつ
しかも、山の裏手にはバス停があった…!(衝撃
洞窟をくりぬいて作ったような教会。
そして聖母子像。

その後、土産物屋が軒を連ねるテアトル・グレコ通りを歩きギリシャ劇場へ。
ここらのお土産屋ではトクナクリアをモチーフにした
陶器やタペストリーが多い。やはりキャッチーな造詣だもんな…
今日のも結構強烈。(横にはテレタビーズの太陽ちゃんみたいなのがいる)

ここのギリシャ劇場は、シラクーサほど大きくはなかったけれど
ここは今でも現役で使われているそうで、こんな舞台装置の中で
古典劇なんかやったら幻想的でいいな、と思う。
その後、FUNIVIAとよばれるロープウェイで海へ。
12人乗りの妙に近代的な、タイムスリップできそうな乗り物でかわいいが
動きは非常に不安定で、同乗した観光客はみんな神妙な顔をしていた。
海の見える美しいレストランでボッタルガ(カラスミ)のパスタを食べる。
ボッタルガはほぐしてあり、千切りのバジルがのせられ
日本のタラコスパゲティと非常によく似ている。
元祖はこっちかもしれない。
ここのレストランからは、映画『グラン・ブルー』の舞台になった
Isola Bellaという島がよく見える。
潮がひくと地続きになるようで、みんな徒歩で島に渡っていた。
なんか江ノ島によく似ている。

おなかもくちくなったところで、山の上に戻り
目抜き通りであるウンベルト通りを右往左往する。
途中広場かあり、カフェが外に椅子を出しているので珈琲を飲む。
ラジコン売りが操作しているのは、うちのミニ吉と同じカラーリングだった。
日本ではあまり見ない配色なのだが、こっちではこの色が人気みたいだ。

昼、わりとしっかり食べたので夜は簡単にパニーニ。
最後の夜のわりにあっさりだが、連日前菜&パスタで
さすがに胃もお疲れ気味。
くらくなるまで町をふらふらして、ホテルすぐ脇にある階段の踊場から
海をながめると、こぢんまりとした美しい夜景。
翌日は朝から帰路に着く。
チュニジアが完全パックツアーで、食事から移動からすべて
旅行会社まかせだったので楽だったが、
シチリアは自分たちでバウチャーを切って、運転手としゃべって
レストランで悩んで食べて失敗したり成功したり。
そのかわり、ゆっくり写真が撮れて、疲れたときにはいつでも休めた。
日数のわりには、充実した旅だったな。

Sicilia: Gallery


シチリア写真(フィルムバージョン)UP。
温室と南国の植物、狭い路地と朽ちた壁、教会、空…
そんな風景ばかりを撮っていたようだ。
パレルモの植物園からはじまった今回の旅と同じく
植物園の温室から不思議な世界の城や路地に迷い込み
そこで見た風景をつないでいったような
構成にしてみました。
「なんだよ、いつもどおりじゃねえか」と言わず、
ここはひとつ、ご笑覧くださいませ。
http://3d-luna.com/voyage/sicilia/index.html

Sicilia: Siracusa-Noto

シラクーサからノートNotoへ。
今日の運転手サルヴァトーレ君は絵に描いたようなラテン系。
そしてやっぱり英語は話せない。
シチリア南東部のノートからカルタジローネ一帯は
「ヴァル・ディ・ノートの後期バロック様式の都市郡」として
世界遺産に登録されている。
ここは1693年の大震災で崩壊した旧市街を捨てて
新たな都市計画で生まれた「新市街」なのだが
とはいえ18世紀初頭の話だから古都といっても良い。
そのときに「どうせやるなら流行のデザインでかっこよくしよう!」と思いたったノート領主は偉い。
後々観光都市となって市民を潤すとは思っていなかっただろうが。

壁の落書きがひどいパレルモに比べて、徹底的に落書きも消され
過剰な装飾が施されたバロック様式の建築は
最近になってまた修復されたらしく、ぴかぴかだ。
古けりゃいいってもんでもないが、あまりにぴかぴかだと
ありがたみが薄れる、とか言ってる勝手な観光客たち。
人間やガーゴイルの彫刻が並んでバルコニーを支えている様子は
ちょっぴりユーモラスでもある。

町はシエスタで死んでいたが、外観を見るだけでも満足。
黄色味の強いベージュと、バロックの曲線と、蘇鉄の硬い質感との
組み合わせが、なんとも素敵。
16時をすぎたころからは、大聖堂にも入れるようになっていた。

ノートから最終地のタオルミーナまでは150kmほど。
ラテン系運転手サルヴァトーレ君に「君は助手席に座りたまえ!」と言われ
2時間ほど、イタリア語のみで会話する羽目になる。
『ゆびさし会話帳 イタリア語編』をにぎりしめ
「シチリア、パスタ、美味しい!」とか
「ウニ食べた!」とか
「わたし、WEBの仕事 デス!」とか
お互いものすごく一方的な会話をする。
会話帳には動詞の現在形しか載ってないので、過去の話や
未来の話ができないのがもどかしい。
こういうときに文法が必要になってくるのだな…
サルバトーレ君は副業でグラフィックデザイナーもやっているらしく
Windows XPでPhotoshop 10を使っているらしい。
(「フォトショップ ディエチ!」って言ってるのが無性にツボに入った。)
マシンはASUSだそうだ。パソコンの話は各国共通だなあ。
「Adobe製品は高すぎるよね!」
というところで意見が一致した。おお、万国共通認識。
あと携帯を4つも持っているのを指摘したところ
「仕事と、家族と、ガールフレンドと、発信専用」らしい。
機種自体はタダみたいなものらしく、そのへんのシステムは日本と似ているのかも。

シチリア第2の都市カターニアCatarniaを見ながら
高速をとばしていく。
目的地のタオルミーナは、山の上にのっかるようにして拓けている町で
蛇行する山道に車酔いした。
タオルミーナ市内に入ってから、サルヴァトーレ君は激しく道に迷い
→車止める
→わたし窓開ける
→サルヴァトーレ君が通行人に道を聞く
→わたし御礼を言って窓閉める
→発進する
という華麗な連携プレイで5回ほど道を聞き、
せますぎる路地を大型車で通り抜け
ようやく、ようやくHotel Paradisoについたのであった。
ぐったり。

Sicilia: Siracusa

9/20
シラクーサ2日目。
朝、早起きして市場へ行く。
シチリアの朝は光がオレンジがかっていて綺麗。

日本ほど早くから市が開かないようで、7時くらいでも
設営している最中だった。日本の青果市場のように
常設というわけではなくて、蚤の市のようなかんじ。
大小さまざまなトマトが並ぶの様は、さすがイタリアというかんじ。
南瓜は巨大なキノコみたいなかたちをしているし
茄子は京都の米茄子のように丸い。そして大きい。
ドライトマトと柘榴を買って、柘榴は海辺で食べた。

ホテルで朝食をとったあとはタクシーで新市街へ。
「天国の石切り場」と呼ばれている遺跡へ行く。
ローマ時代の円形劇場などが残っているのだが
「ディオニッソスの耳」と呼ばれている洞窟が圧巻。
たしかに耳のような形をしていて、天井までは数十メートルあり、
音がものすごく反響し、ささやき声でも洞窟の入り口まで聴こえるそうな。

そこから歩いて、サン・ピエトロ・エヴァンゲリスタ教会へ。
地上には屋根の落ちた教会の廃墟しかないようだが
地下にはローマ時代からのカタコンベ(共同墓地)があり、
ガイドつきで中に入れる。
なかは湿っていて暗くて寒くて、大通りや広場、路地などがあり
ひとつの町のようになっている。左右の壁面には
死体を置いていた穴がボコボコ空いていて、かなり不気味。
(フランスのカタコンベのように実際骸骨が積んであるわけではないんだが。)
ところどころ、中世の壁画が残っているが状態は悪い。それがまた不気味。
屋根の落ちた教会も、実際は屋根が一部補修されており
中のビザンチン様式の壁画を見ることができた。
こちらも状態は悪いが、色がかなり鮮やかに残っていてびっくりする。

新市街をタクシーをもとめて歩く。
日本の地方同様、流しのタクシーというのはいなくて、
大きな駅まで歩かねばならない。
人に聞きつつ、立ち入り禁止じゃないか?というような
通路を通ってシラクーサ駅まで行き、ようやくタクシーゲット。
本日のトクナクリアさん。(@オルティジア島 ローマ通り)

ちょっとマイケル・ジャクソン入ってます。

Sicilia: Siracusa

カルタジローネからシラクーサ Siracusaへ。
シラクーサの旧市街はオルティジア島 Isola Ortigiaという出島のようなところにある。
シラクーサという名前も、なんとなく頭の中で「白草」と変換してしまう
温泉地みたいな名前だ。
途中、車が出島の直前で止まってしまった。
おろおろと事務所に電話する運転手に「何か問題でも?」ときくと
「禁止」だという。
察するに、大型の車は入れないという情報が
島の入り口に書いてあったらしい。
「ここからタクシーで島に入らないとだめかも…」と言うので
まさかそんなことはあるまい、と思っていたら
案の定、運転手の勘違いで、車は別ルートでホテル近くの広場まで入ることができた。
あー、びっくりした。
今回宿泊するHotel Romaは、まだ新しいホテルで
内装はアールヌーヴォー風でかわいい。ホテルマンは英語が堪能だし
アメニティも凄く洗練されていて、これからシラクーサに泊まる人には
是非お薦めしたい。

夕方、ホテルのすぐ裏にある大聖堂へ行く。
大聖堂の地下には巨大な空間があり、戦時中は防空壕としても使われていたそうだ。
当時をしのぶ資料が展示されていて、ちょっと寒い雰囲気だったが
唐突に人工滝に変な女神像が投影されているアート作品?があったりして意味不明。
(写真に映ったぼやけた像を見て、b様は「心霊写真だ!」と興奮していた。
残念ながら仕込みです。)
広大な地下通路を抜けるとイオニア海をのぞむ港に出る。
ちょうど日が沈むときで、空の色が刻々と変化して美しい。
地中海の海は、なぜだか日本の太平洋とも日本海とも違う色になる。
公園の小鳥が狂ったように啼いていた。
海べりには泉があって、もう暗くなるというのに透明度がわかるくらい
きれいな水が湧き出していた。

シラクーサは夜が素晴らしい。
レトロな街灯が、どんなちいさな路地にも等間隔に設置されていて
ちょっと黄色がかった光で道を照らしている。
東京の下町のように、道には植木が置いてあり
犬が寝ていて、人々がふらふらと歩いている。
朝になったらきっと壁の落書きや、道端のゴミも見えてしまうんだろう。
でも、夜は美しい。


海べりの遊歩道に軒を連ねるピザ屋で夕食。
シチリアに来て、初めてピザにありつけた。
日本でもなじみのある「カプリチョーザ(気まぐれ)」は
サラミやドライトマトやオリーブが乗っていて美味しかった!

Agrigent-Piazza Armerina-Caltagirone

9/19
アグリジェントを朝出発し、ピアッツァ・アルメリーナP’zza Armerinaへ向かう。
ここはローマ時代の貴族の別荘があった場所で
モザイク画がかなり状態よく保存されているらしい。
ヨーロッパの学生が修学旅行でイタリアに来ると
必ず寄る、というような場所だ。
別荘の遺跡は、温室のようなアクリルのプレハブに覆われていて
朽ちたローマ遺跡を想像していたのでちょっぴりがっかりする。
とはいえ、雨風にさらされていたら修復作業もままならないもんな。
中に入ると、若い人たちが足場を組んだり、床のモザイク画の修復をしている。
暑いさなかに、床一面で巨大なジグソーパズルをするようなかんじで
気が遠くなる作業だ。
チュニジアのバルドー美術館はモザイク画の宝庫だが
すべて壁に架けられていたので、本来はこんなふうに
床にはめこまれていたんだなあ、と納得する。
昔はアヒルに車を曳かせていたんですか…?

さらに車で1時間ほど、町全体が世界遺産に登録されている
カルタジローネCaltagironeに到着。全体が灰褐色で、いたるところに
バロキッシュな装飾が施されており美しい。
美しいんだが、それは昼時であった。
ま た シ エ ス タ か !
ということで、教会も博物館もレストランもほぼクローズ。
見事にランチ難民になった。
観光地なんだから頑張れよ!
(南イタリアでも、本気の観光地はシエスタはとりません。)
陶器で有名らしく、ショウウインドウには、黄色と青と白の配色の
もっさりした皿や花瓶が飾られている。残念ながら買うには至らず。
ただ、こんなところにも。
数百段の階段すべてに陶器がはめこまれている「スカーラ Scala」。

ひとりになって町をぶらついてみる。
山の斜面にへばりつくように小さい家が密集していて
迷路のような路地が走り、細い階段も多く
自転車や車椅子では絶対に生活できない。
本日のトクナクリアさん。
かなりファンシーな色づかいですね。
値段をみると85ユーロ(約15000円)。

絶 対 買 わ な い 。
唯一開いていたのは町はずれの市民公園。
入り口付近には、すたれてしまった映画館や、
色あせた看板があって、ひなびた雰囲気だった。
日本で言うなれば鬼怒川みたいなかんじだ。
一転して公園の内部はモザイクの美しい東屋や、著名な作家が
デザインしたという壷がふんだんに飾られて優雅な雰囲気。
時間があったので陶器博物館にも行きたかったのだが
3人に道を聞き、それぞれ微妙に違うことを教えられ
4人目でようやく、目的地が改装中で入れないことを知った。
とほほ。

Sicilia: Agrigent

アグリジェントに着く。
街に入るとまず山の上の新市街を通り、山を下ると
建物もまばらになり、考古学地域に入る。
正面にふたつのギリシャ神殿が見えてくる。
ホテルVilla Athenaは考古学地域に建つ唯一のホテルで
だまし絵がカウンタに書いてあったりして可愛らしい。
庭からも神殿がよく見える。
まずタクシーで新市街に行く。
新市街はVia Atenea通りを中心に山肌に沿って間口の狭い家がみっしりと
軒を連ねていて下町っぽい。
庶民的な(でもどこか南国の)植木の並んだ町並みに猫がハマっていて、
どうも東京の下町と通じるところがある。

サンスピリト教会というのがよさそうだったので
タクシーで連れて行ってもらったものの、シエスタで閉館。
とぼとぼ坂を降り、狭い路地の階段に席を出しているトラットリアで昼食。
途中入ってきたオヤジたちはみんなチョイ悪風味で
『LEON』のモデルのようだったよ。
さっき入れなかったサンスピリト教会が気になっていたので
再びフウフウ言いながら山を登り、リトライ。
12世紀くらいの礼拝堂はがらんとしている。
次に通されたホールのようなところはルネサンス風のこってりした絵が飾られており
「うーん…」と思いつつ終了。
2階にあがると、近代の地元の画家の絵が飾ってあったりして、
さらに「うーん…うーん…」と思っていたところで、小さい通路を発見。
奥に入ると朽ちた中世の壁画や、聖人の彫刻がひっそりと置いてある
とても神秘的な小部屋があった。諦めずに進んでよかった。
3階は錠前やミシン、琺瑯の食器など、近代の生活雑貨が展示されている
カオス空間だった。
再びタクシーで考古学地域Zone Aecheologiaへ戻る。
小高い丘の上、2kmにわたって、およそ等間隔に
4つの神殿と劇場が並んでいて壮観だ。
いちばん東のジュノー神殿から、コンコルディア神殿、ヘラクレス神殿…と
西日をガンガン浴びながら歩いていく。
水をいくら飲んでも足りない。

夜はホテルのレストランで。
ピアノの生演奏では、もちろん「ゴッドファーザー愛のテーマ」が流れていた…
考古学地域はライトアップされていて、暗闇に神殿がうかびあがって本当に美しかったが
たまに停電でライトアップがバツンと消えたりしていた。
ムード台無し。

部屋から神殿をのぞみつつ。

Sicilia: Palermo-Monreale-Agrigent

9/17
朝、パレルモを発つ。
ドライバーはまったく英語が話せない、というのを
ホテルのフロントの人が通訳してくれた。
そのくらいの英語は覚えて欲しいが
かなり年配ベテランドライバーだったのでしょうがないか…
とりあえず「渋滞だ!」と言っているのはわかったので
「イタリア!車!多い!」くらいはイタリア語で言ってみた。
通じた。
アグリジェントに向かう途中に、モンレアーレという山の上の町に寄る。
ここの大聖堂Duomoはものすごく立派で、天井までびっしり描かれたフレスコ画が圧巻。
旧約聖書の物語かな。アダムとイヴがいる。
12枚の翼の天使が乱舞する天井は
キリスト教徒じゃなくてもひれふしたくなる。
エヴァンゲリヲンに出てくる使途みたいなので…

礼拝堂の隅で、テラスに上がるチケットを売っていたので購入し
細くて暗い階段をのぼってゆく。
一気に視界が開け、回廊を持つ中庭や、モンレアーレの町や
遠くの山々や、大聖堂の屋根のレリーフなどが
一度に視界に入ってきて素晴らしかった。
宝物庫も別料金だったが、こちらは
下品なほど過剰に飾り立てられたバロック様式の礼拝堂から
宝物庫へ入る。中には聖人と骸骨が対になった祭壇や
豪華装丁なんてもんじゃない金箔フルカラーの写本や
聖人の遺骨が瀟洒な瓶に入れられて飾られていた。
澁澤龍彦的というかなんというか…

よくみると、猪木じゃん。

回廊は、素朴なもの、モザイクがはめこまれたもの
螺旋のものなど、さまざまな様式の柱が並ぶ美しいもので
NYのクロイスターズに移築されたものとよく似ている。
(あれはたしかスペインの廃院だった)

柱には、ロマネスク様式のレリーフがあり
どれもちょっとユーモラスでかわいい。
天使に押されて困ってる人。

Duomoを出て、「キリストの壁画」というのが有名な教会に行く。
道行く人に道を聞きながら行ったものの
教会は閉まっている。
しょぼーんとして教会を見上げると、壁面に
巨大なポスターのようにキリストのモザイクが描かれていた。
ここまで堂々と白昼に晒されていると、ありがたみがないなあ。(贅沢な。)
サッカーをして遊んでた子。
「教会は閉まってるよ!」って教えてくれた。

モンレアーレからアグリジェントまでは100kmほど。
高速を飛ばしていく。
ベテランドライバーは非常に安全運転で法定速度で走っている。
車も良いし(ベンツのバンだった)、道も整備されているのがちょっと意外。
途中、PAのようなところでトイレ休憩。
併設されたカッフェも、バーのような内装でいい雰囲気。
最初に食券を買って、カウンターの中にいる係に渡し
ピザや飲み物を受け取るシステムになっている。
エスプレッソは目の前で淹れてくれて、0.7ユーロ。
唯一日本より安いなあと思ったのが、この美味しい珈琲だ。
アグリジェントにつづく。

Sicilia: Palermo

9/16
朝、タクシーでシチリアの植物園Orto Botanicoへ。
3kmくらいなのに12ユーロ(今のレートだと2000円弱!)高!!
ここは1789年に設立されている由緒正しい植物園で
中に入るとルネサンス様式の立派な記念館や温室がある。
樹齢100年を越すユッカや椰子の巨木がそこここに生えていて
池には蓮や睡蓮が咲き乱れ、なんともエキゾチックだ。
みたこともないサボテンが、温室に育てられていたり
ひっそりと建てられたボイラー室には、アラブ風のタイルが貼られた
洗い場があったりして、なんとも不思議な場所だった。

植物園を出て、細い路地の下町を抜け旧市街へ。
サン・フランチェスコ・ダッシジ教会Chiesa di S Francesco D’Assisiは
寄木細工のような天井が美しく、
プレートリア広場のルネサンス風彫刻たちはみんな全裸で
「ちょっとくらい服を着たほうがいいんじゃ…」と思ったり
シチリア最古のビザンチン様式のマルトラーナ教会Martoranaの
あまりの金ピカ具合に目を剥いたりした。
この1143年に建立されたマルトラーナは外観も朽ちた石壁に
蘇鉄が生い茂っていて退廃的な雰囲気が素敵なのだが
内部は、東方教会風の、正面きって描かれたモザイク画が多数ある。
少女漫画みたいなルネサンス様式よりも、こちらのほうが
ストレートに信仰が伝わってきて好きだ。

ヴィットリオ・エマニュエーレ通りVia Vitt. Emanueleを西へ歩き
ノルマン・アラブ様式の巨大な大聖堂Catedoraleへ。
とにかくものの基準を無視した大きさと、アラブを思わせる
こまかな幾何学模様が凄い迫力だった。
正面から見たノルマン様式の堂々とした姿よりも
裏側の繊細な幾何学模様の壁のほうが美しいと思った。

巨大なアラブ人をあしらったヌォーヴァ門Porto Nuovaをくぐり
ノルマン王宮Palazzo dei Normanniへ。
ここは現役の州会議事堂として使われており、ガイドの案内で見学したが
ガイドはすべてイタリア語だった。(ちなみに参加している観光客で
イタリア人はいなかったように思う…)
議事堂の中は、硬い彫刻や調度で飾られていたが
奥に行くと12世紀くらいの黄金のモザイクの間が残されていて感服した。
日本の国会議事堂にいきなり鎌倉時代の茶室があるようなもんだ。唐突だ。
もちろん、三つ足のメドゥーサ「トクナクリア」さんもいた。(写真撮影不可だった。残念。)
日曜ということもあって軒並み店を閉めている中
果敢にもOPENしていたトラットリアで昼食をとる。
鰯のマリネは強烈な酢と塩で、酒が進んでしまい
昼間からワインをがぶがぶ飲んでしまった。
夕方、tram氏とb様はシエスタ。
わたしはサン・ドミニコ教会S Dominicoを観ようとして
片側3車線の大きな目抜き通りをふらふら進んでいくうちに、
ちいさな遊園地をみつけたり、シチリア初の猫を目撃したりして
本来の目的を忘れかけたが、気を取り直して地図を見返して
自分がまったく反対方向に進んでいたことを知った。
慌てて引き返し、サン・ドミニコ教会に着いた頃には門扉は閉ざされ(涙)
外観だけを写真に収めて退散。
海沿いのさびれた夕暮れの道を、ちょっと心細くなりつつ歩いた。
(でも、途中で無数のカモメがとまっているクレーンや、中世の教会を見つけたので良かった。)
夕食は、ローマ通りVia Romaと、マクエダ通りVia Maquedaの間の道に
テーブルを出しているTaverna Siciliana(シチリア食堂?)で夕食。
カプレーゼ、シチリア風海鮮スパゲッティ、白ワインをいただく。

Sicilia: intro

帰国しました。
シチリアは、なんというか、ゆるい国でした。
そもそも、州のシンボルが、これ。

これが走ってくるところを想像するだに、うなされそうです。
やめて。来ないで。
もちろん州旗も紋章もこれなので
威風堂々とした議事堂にも
妙に格調高いバージョンのこいつがいるわけです。
もちろん、あまりにキャッチーな”ゆるキャラ”(byみうらじゅん)なので
いろんなバリエーションで土産物にされてましたが。
のちのちそれは紹介するとして、
明日から、シチリア旅行記を始めます。