PATERSON

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本年最後の映画はジム・ジャームッシュの『パターソン』。アップリンクでも1/5までだというので慌てて観にいくことに。
創作に対するリスペクトに溢れた作品だった。詩人が直面するであろう挫折や絶望なんていうものは一切描かれない。たまに起こる事件も深刻化することなくあっという間に解決してしまう。こんな日常あるわけがない。終わりのない穏やかで愛情に満ちた日常にみせかけて、ものすごいファンタジー。監督の以下のような言葉が沁みる。

『パターソン』はディテールやバリエーション、日々のやりとりに内在する詩を賛美し、ダークでやたらとドラマチックな映画、あるいはアクション志向の作品に対する一種の解毒剤となることを意図している。

今、書籍・アニメ界でも終わらない日常系が流行っているのも、スペクタクル志向への拮抗薬なのかもしれないな。その後、SHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERSをひやかして、トスカナ料理屋「BEONE」でChantiiの美味しい赤ワインとチーズと鹿をいただいて、Goodbeer faucetsでビール飲んで解散。渋谷も奥のほうは居心地がいいな。

BLADE RUNNER 2049

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ドゥニ・ビルヌーブ監督「ブレードランナー2049」(2017年アメリカ)

ハリソン・フォードの登場のしかたがあまりに唐突すぎて旧作を知らない人にとっては「誰だおまえ」状態だと思うが、前作のレトロフューチャーな雰囲気も踏襲しつつ、バラードの小説の世界のような幻想的な風景も美しく描かれていて絵は好きなかんじだった。それにしてもこの薄さで3時間弱は長いので、環境ビデオとしてBGVにしておくのによい趣ではないかと…

 

On the Milky Road

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エミール・クストリッツァ監督『オン・ザ・ミルキーロード』

クストリッツァへの愛が重すぎてうだうだしていたら都内は明日が最終日だというので自転車で角川シネマ有楽町まで行ってきた。ビックカメラの8Fなのだが、昔からこんな劇場あったっけ?

それはさておき、あいかわらず「なんじゃこりゃあ!」というような殺伐系おとぎ話。もう老境に近い中年の愛の逃避行なんだけどモニカ・ベルッチがいい女すぎてクストリッツァがイケメンに見えてくるから不思議である。今年の夏、セルビアから旧ユーゴ一帯を周遊したときに車窓から見た集落、ごつごつとした岩山、銃弾の跡や焼け落ちた壁などがそのまま映っていて、90年代の紛争の凄惨さも垣間見える。

そう、作中でクストリッツァが隼とともに弾いているハンマーダルシマーによく似た楽器はツィンバロムというらしい。原始的なピアノのような、まあるい幻想的な音である。彼はピアノも弾いているが、このパーティのシーンが最高で、いつまででも見ていたかったなあ。

笑ってはいけないところで笑ってしまうCGに苦笑しつつも、やはり彼の映画が好きだと言い続けたい。

 

DANCER〜セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣

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監督:スティーヴン・カンター『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣』
(2016年/イギリス・アメリカ/85分/カラー、一部モノクロ/1:1.85/DCP/原題:DANCER)

ポルーニンの美しく脆い表情がよく撮れているとおもった。ウクライナの寒々しい風景が印象的。とはいえ最後はハッピーエンドなかんじもあり清々しい作品になっている。
BBCらしいドキュメンタリーなので、これはテレビでもよかったかな〜。

牯嶺街少年殺人事件

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エドワード・ヤン監督 『牯嶺街少年殺人事件』(1991年)
上映時間3時間56分。およそ4時間、完走した…
1960年代の台湾、統治時代の面影を色濃く残すコロニアル様式の建築と色の濃い植物と少年たち。絵はどこを切っても完璧な構図と色彩。それとはうらはらにストーリーは荒唐無稽で破滅的。長い、美しい悪夢みたいな作品だった。じゃっかん編集に冗長な印象を受けたので、もしかしたら私は188分版のほうが好きかもしれない。見た直後にぼうっとしながら東急本店の揚州飯店に入ったら、隣の席から中国語が聴こえてきて、そのまま映画の世界に入ってしまったような不思議な感じになった。

また台北に行きたくなってしまったなあ。

まほろ駅前多田便利軒

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映画版、だりぃなあと思いつつイケメンふたりには勝てず最後まで観てしまった。90分くらいにまとめて原作のような軽妙洒脱なセリフでサクサク進めるようにしたら良かったのかも。わりとおっとりした演技のふたりなので冗長な印象。三浦作品は情景描写がさっぱりしすぎているくらいさっぱりしているので映像化しやすいのかもしれないな。こちらも『舟を編む』同様、松田龍平主演。

Dr. Strange

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YさんMちゃんと丸の内で「ドクター・ストレンジ」を。今回、ベネディクト・カンバーバッチよりもマッツ・ミケルセンに期待していたのだが、マッツでなくてもいいかなあという印象。ただ、ワン役のティルダ・スウィントンが相変わらず人間離れした雰囲気で良かった。人外の役をやらせたらこの人の右に出るものは今のところいない感じ。

原作のあらすじをざっくり追って行ったが、本来敵であるモルドは今回は仲間として描かれ、ワンを裏切った弟子としてカエシリウスというオリジナルキャラクターが出ていた。アベンジャーズを観ていないので、ちょいちょい挟まれるマーベル・スタジオ小ネタはわからず。

観終わったあとは丸の内のインド料理屋でキングフィッシャー飲みながら映画についてツッコミいれたりして楽しかったな。