TSUKIJI WONDERLAND

遠藤尚太郎監督。ほんとうによく取材・編集されていて映像も音楽もとてもよいドキュメンタリー映画だった。魚、ちゃんと食べないとな。

『TSUKIJI WONDERLAND(築地ワンダーランド)』予告篇

Sicario

「ボーダーライン」
デル・トロにはずれなし…ということで薦められて観てみたが、緊迫しすぎて疲れた。人は虫のように死ぬし、メキシコの麻薬カルテルの関係者に生まれなくてよかったと心底思った。
重たい空と通奏低音、どこか見覚えがあるなと思ったら「ブレードランナー2049」と同じドゥニ・ヴィルヌーヴ監督。

TAKING CHANCE

「テイキング・チャンス」
チャンスを掴め的なタイトルかと思ったら全然違う。チャンスという名前の戦死者を将校が家族のもとまで届ける、という非常にシリアスな映画。米国版の「おくりびと」というところか。
ケヴィン・ベーコンの海軍姿に萌える間もなく話が真面目すぎて真顔になったけど、淡々と戦死者の護衛に関わった人々を描いていてとても良かった。米国って戦死者に対する敬意の表し方がすごいんだなと。
この感覚は日本にはもはや微塵もないな。

劇場版名探偵コナン「ゼロの執行人」

あまりにTLで話題になっているので水曜だしということで自転車に空気を入れて上野へ。なんでコナンが小さいのかも知らないのに、安室の声優さんが古谷徹だってだけで面白いじゃないですか…話題作なだけあってオトナが見ても十分おもしろい。ちょっと後半盛り過ぎなかんじもあったけれど。

終演後はGOLDEN GATEさんでハンバーガーを。顔を覚えていてくれて嬉しかったな。

PATERSON

 

本年最後の映画はジム・ジャームッシュの『パターソン』。アップリンクでも1/5までだというので慌てて観にいくことに。
創作に対するリスペクトに溢れた作品だった。詩人が直面するであろう挫折や絶望なんていうものは一切描かれない。たまに起こる事件も深刻化することなくあっという間に解決してしまう。こんな日常あるわけがない。終わりのない穏やかで愛情に満ちた日常にみせかけて、ものすごいファンタジー。監督の以下のような言葉が沁みる。

『パターソン』はディテールやバリエーション、日々のやりとりに内在する詩を賛美し、ダークでやたらとドラマチックな映画、あるいはアクション志向の作品に対する一種の解毒剤となることを意図している。

今、書籍・アニメ界でも終わらない日常系が流行っているのも、スペクタクル志向への拮抗薬なのかもしれないな。その後、SHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERSをひやかして、トスカナ料理屋「BEONE」でChantiiの美味しい赤ワインとチーズと鹿をいただいて、Goodbeer faucetsでビール飲んで解散。渋谷も奥のほうは居心地がいいな。

BLADE RUNNER 2049

ドゥニ・ビルヌーブ監督「ブレードランナー2049」(2017年アメリカ)

ハリソン・フォードの登場のしかたがあまりに唐突すぎて旧作を知らない人にとっては「誰だおまえ」状態だと思うが、前作のレトロフューチャーな雰囲気も踏襲しつつ、バラードの小説の世界のような幻想的な風景も美しく描かれていて絵は好きなかんじだった。それにしてもこの薄さで3時間弱は長いので、環境ビデオとしてBGVにしておくのによい趣ではないかと…

 

On the Milky Road

エミール・クストリッツァ監督『オン・ザ・ミルキーロード』

クストリッツァへの愛が重すぎてうだうだしていたら都内は明日が最終日だというので自転車で角川シネマ有楽町まで行ってきた。ビックカメラの8Fなのだが、昔からこんな劇場あったっけ?

それはさておき、あいかわらず「なんじゃこりゃあ!」というような殺伐系おとぎ話。もう老境に近い中年の愛の逃避行なんだけどモニカ・ベルッチがいい女すぎてクストリッツァがイケメンに見えてくるから不思議である。今年の夏、セルビアから旧ユーゴ一帯を周遊したときに車窓から見た集落、ごつごつとした岩山、銃弾の跡や焼け落ちた壁などがそのまま映っていて、90年代の紛争の凄惨さも垣間見える。

そう、作中でクストリッツァが隼とともに弾いているハンマーダルシマーによく似た楽器はツィンバロムというらしい。原始的なピアノのような、まあるい幻想的な音である。彼はピアノも弾いているが、このパーティのシーンが最高で、いつまででも見ていたかったなあ。

笑ってはいけないところで笑ってしまうCGに苦笑しつつも、やはり彼の映画が好きだと言い続けたい。

 

DANCER〜セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣

監督:スティーヴン・カンター『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣』
(2016年/イギリス・アメリカ/85分/カラー、一部モノクロ/1:1.85/DCP/原題:DANCER)

ポルーニンの美しく脆い表情がよく撮れているとおもった。ウクライナの寒々しい風景が印象的。とはいえ最後はハッピーエンドなかんじもあり清々しい作品になっている。
BBCらしいドキュメンタリーなので、これはテレビでもよかったかな〜。

牯嶺街少年殺人事件

エドワード・ヤン監督 『牯嶺街少年殺人事件』(1991年)
上映時間3時間56分。およそ4時間、完走した…
1960年代の台湾、統治時代の面影を色濃く残すコロニアル様式の建築と色の濃い植物と少年たち。絵はどこを切っても完璧な構図と色彩。それとはうらはらにストーリーは荒唐無稽で破滅的。長い、美しい悪夢みたいな作品だった。じゃっかん編集に冗長な印象を受けたので、もしかしたら私は188分版のほうが好きかもしれない。見た直後にぼうっとしながら東急本店の揚州飯店に入ったら、隣の席から中国語が聴こえてきて、そのまま映画の世界に入ってしまったような不思議な感じになった。

また台北に行きたくなってしまったなあ。

まほろ駅前多田便利軒

映画版、だりぃなあと思いつつイケメンふたりには勝てず最後まで観てしまった。90分くらいにまとめて原作のような軽妙洒脱なセリフでサクサク進めるようにしたら良かったのかも。わりとおっとりした演技のふたりなので冗長な印象。三浦作品は情景描写がさっぱりしすぎているくらいさっぱりしているので映像化しやすいのかもしれないな。こちらも『舟を編む』同様、松田龍平主演。

Dr. Strange

YさんMちゃんと丸の内で「ドクター・ストレンジ」を。今回、ベネディクト・カンバーバッチよりもマッツ・ミケルセンに期待していたのだが、マッツでなくてもいいかなあという印象。ただ、ワン役のティルダ・スウィントンが相変わらず人間離れした雰囲気で良かった。人外の役をやらせたらこの人の右に出るものは今のところいない感じ。

原作のあらすじをざっくり追って行ったが、本来敵であるモルドは今回は仲間として描かれ、ワンを裏切った弟子としてカエシリウスというオリジナルキャラクターが出ていた。アベンジャーズを観ていないので、ちょいちょい挟まれるマーベル・スタジオ小ネタはわからず。

観終わったあとは丸の内のインド料理屋でキングフィッシャー飲みながら映画についてツッコミいれたりして楽しかったな。

地獄でなぜ悪い

園子温『地獄でなぜ悪い』

第38回トロント国際映画祭 観客賞(ミッドナイト・マッドネス部門)受賞という納得のマッドネス。堤真一も星野源も本当に気持ち悪い縁起で最高でした。血はだめなはずなのに園子温の血はあまりにフェイクすぎて大丈夫なのだ。

それにしてもこんな映画をこんなにたくさんの時間と労力を使って撮れるって凄いことだよな。日本映画も懐深い。

TOKYO TRIBE

園子温『TOKYO TRIBE』

クストリッツァの映画にも似た悪魔的なファンタジー。
ヒップホップのミュージカルっていうのでジャームッシュの『ゴースト・ドッグ』みたいなのを想像してたのだが全然違ったよ。
皆殺しの換気扇出てきた時点で大爆笑した。

愛のむきだし

園子温『愛のむきだし』

237分。
完走できるか心配だったけど、ジェットコースターみたいな映画であっという間。
とはいえ観終わったあとはぐったりして立てないくらい何かを吸い取られる。
俳優陣もとてもよかった(特に狂っていく神父の渡部篤郎とか最高)

園子温の映画って、そこから教訓とか希望とかなんも残らないようでいて
ちょっと光が見えてしまうところがいい。

Elementarteilchen

Oskar Roehler『Elementarteilchen』

ミシェル・ウエルベックの超売れた「素粒子」の映画化なんだが、なぜかドイツ映画。今日、おでんをつつきながらウエルベックの話になって、帰宅してからつい観てしまった。ヒッピーの村がじわじわおかしい。そしてこの兄弟、足して2で割りたい。あと原作の大どんでん返しは映画では描かれていないので最初に原作を読んだほうがよい。

海街diary

ひたすら鎌倉の美しい風景のなかで美しい四姉妹を愛でる映画。
原作よりもずいぶん姉妹が華やかでびっくりするが、綾瀬はるかも長澤まさみもとてもよかった。
是枝監督作品は突飛な設定なのに役者さんの抑えめの演技で人物の感情がすんなり入ってくるのがいつもいいなと思う。

MAD MAX

何も残らないけど観て後悔はしない。
子産み女とかウォーボーイズとか分析すればいろいろ出てくるんだろうけど、とりあえず「ギターのヘッドから火を吹くギミック、それはいらないだろ」というツッコミだけはしておく。

Fifty Shades of Grey

YさんとMちゃんと池袋シネマロサで鑑賞。

オチもなければエロも中途半端だったおかげで
妙齢女子全員が「!?!?!?」となり、
その後の飲み会がたいそう盛り上がった。
本当にありがとうございました。

しかし自称変態がたいした変態じゃなかったときの
ガッカリ感たるや。

もやもやとした気持ちを抱えつつ早い時間から楊さんのお店に行って
「納得いかん」
「わたしならこうする」
「こういう展開なら許せる」
などと話しながら、特性焼き餃子、羊肉餃子、干豆腐の前菜、
羊肉のクミン炒め、汁なし担々麺、香爆海老をもりもり食べた。

話し足りずに芸術劇場のデリリウムカフェでまったりして解散。

impressions

先日、ニコ生で人間椅子25周年記念ライブDVD上映会があったので
アリーナ席で閲覧したわけですが、おそらく同い年であろう人々と
コメント打ち合ってたいそう盛り上がって面白かった。
最終的に20,000人の視聴があったのはすごいことだと思う。
ももクロとかと共演して若い人に再発見されているらしい。

しかし平沢進にしても人間椅子にしても「変わらないこと」を評価してしまいそうになる。
結局、10-20代のノスタルジアなのかな。いかんな。
イシイと話していて「30代になってからものすごーくハマったものなんてないよ、
本も映画も音楽も」って言ったら「弱虫ペダル」って速攻で突っ込まれたが。
あと進撃もね。

結局、脳が見たことも聞いたこともないものに衝撃受けて印象を残すわけで、
経験積んでパターンとかテンプレに当て嵌め始めるからダメなんだろうか。
アンゲロプロスなりクストリツァなりシュワンクマイエルなりカラックスなり
自分の中には「それ以前」がまったくなくて殴られたようなを衝撃受けたのだった。
30代で印象に残った監督なんて黒沢清とウェス・アンダーソンくらいしかいない。
しんどいなあ。

The Life Aquatic

ウェス・アンダーソン『ライフ・アクアティック』
原題:The Life Aquatic

海洋探査映画をとるために奮闘するダメな船長の物語。ストーリーが荒唐無稽すぎるのに
人が全然死なないな~と思ってたら意外なキーパーソンがあっさり死んだ。
ウェス・アンダーソンの映画って基本的にドタバタで登場人物もクズばっかりだけど
後半2/3くらいのところで突然死のイメージをばん!と突きつけられる。

ハリボテの海中映像と、アニメーションの綺麗な海洋生物たち
あいかわらずレトロなセットがかわいい。

しかしウェス・アンダーソン映画のアンジェリカ・ヒューストンはいつもかっこよすぎるね。
今回はケイト・ブランシェットが抑え目の演技だったのもよかった。

The Royal Tenenbaums

ウェス・アンダーソン『ロイヤル・テネンバウムズ』
原題:The Royal Tenenbaums

家族の絆を取り戻そうと、最低なお父さんが家族再生に向けて奮闘する話なのだが
子どもたちは子供の頃は天才と呼ばれたものの年とったらグダグダだし、妻は再婚寸前だし、その他周りにもヤク中の文学者や神経学者など変な人がいっぱいいるしで、どんな展開になるのかまったくわからない。寡黙なインド系の使用人がいい味を出している。

相変わらずビビッドでレトロな色彩が美しい。

The Darjeeling Limited

ウェス・アンダーソン『ダージリン急行』
原題:The Darjeeling Limited

心の離れた三兄弟が母親に会いになぜかインドをダージリン急行でスピリチュアルに旅するという
よくわからないストーリーなのだが、ウェス・アンダーソンらしい溢れる美しい色彩と
シュールな展開が面白くて食い入るように映像を見てしまう。
3人の俳優が同じ画面に映っていると、必ずエイドリアン・ブロディに目が行ってしまう。
男前じゃないんだけど、なんか目を離せない魅力があるんだよな。

それにしても、インドってやっぱりすごいところなのだよなあ。
インドの田舎の葬式の風景が幻想的であった。

Samurai Reincarnation 2003

平山秀幸『魔界転生』(2003年)

深作のほうが圧倒的に面白いというだけで特筆すべきことなし。
窪塚の抑えた演技もよいのだが、沢田研二ほどの人を惑わす妖しげな力がないのかもしれない。
あとオリジナルキャラの細川ガラシャが出てこないのが残念。

特筆すべきはCGだと思ってた徳川家康が麿赤兒だったことかな!

Samurai Reincarnation

深作欣二『魔界転生』

実相寺の帝都物語を観たあとなので、深作の娯楽映画に徹するかんじがほんとに安心する。
腐女子的には沢田研二と真田広之のキスシーンがハイライトではないかと。

ちなみに「Ninja Ressurection」という英題は少し違和感を感じるが
原作が山田風太郎の「おぼろ忍法帖」なので
どっちかというとこっちのほうが近い。

Doomed Megalopolis

実相寺昭雄『帝都物語』
ひさびさに観たが、原作読んでてもまったくわからないところがすごい。
西村晃は実父西村真琴博士の役をやっておられて、それはとても凄いことだと思うんだが
こんなトンデモ映画でなくてもよかった。

あと、クリーチャーデザイン、ギーガーがやってたんですね。
豪華なキャストといい、さすがバブル期の映画。

Hedwig and the Angry inch

何度借りてきても、なぜか途中まで観ては妨害が入ってそのままになっていた
『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』をようやく観た。
アメリカのストリートミュージカルが原作だというのも後から知ったのだが
ずいぶん熱狂的なファンもついて大成功していたとか。
有名俳優も出資して常設の小屋もできたそうで、アメリカのカルチャーの
懐の深さを知るというか。
アメリカの流行はずいぶん日本に入ってきているつもりだったけど
こういう面白いものがまだたくさんあるのだろうな。
これはライブで観たかったな。

“other half”、配偶者という意味でもあり、文字通り「半身」を探す物語という、
思っていたよりもずっとシリアスで、抽象的な話だった。
そしてなにより音楽と衣装、舞台美術が素晴らしい。

たまたま、これを観た日の夕方にビアパブイシイのSさんに
「最近おもしろい映画観ました?」って聞いたら
この映画の名前が出てびっくりした。
わりと最近、高田馬場の映画館で上映していたらしい。
まだまだ良い映画館があるようで、おばちゃんはちょっと安心したよ。

STAR TREK INTO DARKNESS

ご近所のSHERLOCK女子たちとスタトレ観てきました。
もう、脂多めの全部のせラーメンみたいに濃い映画でしたけど
1秒も退屈しなかった。すごいことだ。

言わせてもらえるならベネディクト・カンバーバッチ演ずる
カーンの出番はもうちょっと多くてもよかった。
スポックの活躍を少し削ったとしても。

以下ネタバレです。
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The HOBBIT

ピーター・ジャクソン監督作品『ホビット〜思いがけない冒険〜』

拙宅で、ご近所のゆうこさんを招いてふたりで上映会。
マーティン・フリーマンのあまりの可愛さに、きゃあきゃあ言いながら観た。
SHERLOCKでもそうだが、抗えない運命に巻き込まれていく役が
なんてハマるんだろう。リアクション王という異名を持つだけあって
表情も仕草も最高だった。

ドワーフに美形はいらん!と最初言っていた私達も
トーリンの男前っぷりに前言撤回し、見終わった頃には
「一生付いていきますっ」というくらいLOVEなかんじになっていた。
声もいいのだ。

しかし、オークだのゴブリンだのトロールだの、
あんな目にあったら私だったら3分と持たずに死んでると思う。
全員生きてるだけで奇跡だ。

プレミア上映会までのビデオブログもとても面白かった。
ファンのための映像づくりも含めてのPJ版指輪物語なんだな。

Nobody Knows

是枝裕和監督『誰も知らない』

『ペルシャ猫を誰も知らない』の誰も知らない繋がりで借りてみた。
是枝好きとか言ってるくせに、一番の出世作は観ていなかったので。

この人の作品の登場人物は、たいていとんでもない状況に立たされているのだけど
その心理描写とかは観客に委ねるようなところがあって
たいそう控えめなのが好きだ。

作品にそっと寄り添うようなゴンチチの音楽も良かった。

No One Knows About Persian Cats

バフマン・ゴバディ監督『ペルシャ猫を誰も知らない』
西洋の音楽やコンサートも集会と目されて制限されているイランで、
当局から隠れながらバンドメンバー集めと国外脱出を目標に奔走するカップルの話。
テヘランの街が出てきて懐かしかった。プラタナスの並木とか。

ゲリラ撮影されたらしいが、イラン国内で上映されたのかしらん。

躁病気味のコーディネーターのナデルがおかしい。
オルタナ系、ヘヴィメタ、ラップ、ワールドミュージックなどなどジャンルは様々。
若者たちは牛小屋で肝炎になったり、暇を持て余した隣りのガキに通報されたり、
手入れが入ったりと受難を乗り越えつつ地下や廃墟で練習している。

ほのぼのとしたロードムービー風だったのにラストは意外と重かった。